【無料公開・取材こぼれ話】モンテネグロあるある? 数々のゲン担ぎ。羊に手を振ると……
それは一種異様な光景にも映ったが、モンテネグロ人にとっては常識の行動だったようだ。
バス移動の際、車窓の向こうに羊の群れを見付けると、モンテネグロの選手たちは一斉に羊の群れに向かって突然手を振り始めた。
「なんで?」
加藤恒平の疑問にある選手が答える。
「羊は幸運を呼ぶんだ」
このとき加藤は、モンテネグロが幸運やゲン担ぎを好む国であることを知った。ゲン担ぎは幸運を呼ぶ羊に手を振ることだけではない。それはトレーニングにも如実に表れる。
以前は11時スタートが恒例だった練習の開始時間も、キックオフ時間に合わせた17時スタートに変えたことでチームが好調を維持すると、いつしか17時スタートが恒例となった。また、2色あるトレーニングウェアもその勝った週に着ていた色を着続け、負けたら翌週からもう一つの色に変えることは日常茶飯事。ゲン担ぎは、加藤が飲むドリンクにも及ぶという。
「僕が点を取って勝った試合の前日に飲んでいたドリンクをチームメートが覚えていて、試合前日になったら、『おまえ、この前の試合前日に飲んでいたドリンクをまた飲めよ。点を取って勝つかもしれないだろ。おごってやるからさ』と迫ってくる。お腹いっぱいでいらないのに(笑)」
そうした数々のゲン担ぎが、チームの首位定着の原動力となっている!?
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