難攻不落の三ツ沢。王国軍を退ける……2025-J1第9節・清水戦(H) マッチレビュー
▼2025明治安田生命J1リーグ 第9節
4月6日(日) 14:03キックオフ/ニッパツ三ツ沢球技場(9,106人)
横浜FC 2-0 清水エスパルス(Jリーグ公式サイト)
【得点】
50′ 横浜FC/山田康太
90′+7 横浜FC/櫻川ソロモン
天気は朝からグズつき、ちょうど開場にあたるキックオフ2時間前あたりから雨が降り始めたが、選手がピッチに入場するころには空はきれいに晴れわたった。この日、横浜FCユースは保土ヶ谷公園サッカー場でU-18プレミアリーグEASTの開幕戦を鹿島ユースと戦い、1-2で敗れたが、その試合中降り続けて終わった途端に晴れたとのことで、そちらは多少気の毒ではあった。
雨は上がったものの、風は残った。記者室の室内ではなく外のスタンドでの体感ではそれほど強い風には感じなかったが、確かに掲揚された旗はバタバタとはためいていた。ピッチレベルでは大いに影響があったことは両チームの監督、選手の証言の通りなのだろう。
風はオレンジに埋め尽くされたアウェイゴール裏からホームゴール裏に向けて吹いた。昨季J2第33節の国立決戦は、清水の中央突破と横浜FCのサイドアタックの対決となったが、この風もあってその構図は少々変わる。さらに風に加えて、ニッパツ特有のピッチ状態も試合の内容に影響した。この日の勝利は、まさにホームスタジアムの力がもたらしたものかも知れなかった。
【選手交代】(横浜FCのみ)
60′ 山根→準弥、武蔵→駒沢
77′ 山田→新井、ルキアン→ソロモン
90′+2 ユーリ→小倉
▼進化した清水のサイドアタック
今季の清水はここまで[4-2-3-1]と[3-4-2-1]を試合によって半々で使い分けていた。Football LABのデータによれば清水の中央突破の指数はリーグ3位と相変わらず高いが、ワイドにウイングバックを置く3バックを併用するということは、J1で戦うにあたって、サッカー王国らしい中央突破一辺倒では限界があると見て、サイドアタックもしっかりできるよう進化してきたということだ。
実際、中央突破は成功すればゴールが生まれやすいが、相手も当然中央は厚く守るし、そこに人数をかけて失敗するとカウンターで失点するリスクも高い。その点サイドアタックは、そこを突破しても結局最後は中央でシュートを合わせねばならないためゴールに結びつかないことも多いが、中央よりも守りは薄く、奪われても失点につながるリスクは低い。横浜FCもそうだが、J2からの昇格組としてはそれで戦うのが妥当だろう。ちなみに横浜FCの中央突破指数はリーグで下から4番目で、一番低いのは岡山である。
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