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【シリーズ】2024 シーズンレビュー vol.4……セカンドサマー

 

2024シーズン、前年にまたしても最下位でJ2に降格した横浜FCトップチームは、再び“1年でのJ1復帰”を目標にスタートし、2位でその目標を達成した。3位・長崎との勝点差はわずか1ポイント。クラブ新となる8連勝を含む20戦連続無敗記録を作って首位争いも演じたが、最終盤に息切れし、ギリギリで決めた昇格だった。

前年にJ1を戦った選手たちの多くが残って挑んだシーズンだったが、それでも昇格は容易ではなかった。2025年、再びJ1を舞台にするシーズンの開幕に際し、昨季のトップチームがいかに戦ってきたかを振り返っていく。全5回の予定。

(文と写真/芥川和久)

 

 

▼仕切り直しの夏

第21節終了時点で暫定首位に立ったものの、長崎の未消化試合も終わった第23節終了時点では、長崎が勝点50で首位、横浜FCは清水と勝点49で並んでいたものの、得失点差で上回って2位となっていた。天皇杯3回戦・鳥栖戦はルヴァンカップ同様、J1鳥栖に1-3の敗戦で実力の差を見せつけられたが、横浜FCにとって今のところカップ戦は本気で取りに行く大会ではなく、そこはたいした問題ではない。

▲横浜FCにとってカップ戦はまだ本気で狙いに行くタイトルではなく、戦力の底上げ、新戦力の発掘が主目的となる。このシーズンは小倉陽太がブレイクし、リーグ戦でも戦力となっていった

 

どんなチームも永遠に勝ち続けられるわけではないし、勝ち続けているとそれだけ対戦相手には警戒され、「まともにやって勝点ゼロに終わるよりも、こっちも勝点3は取れないかもしれないが勝点1なら取れるかもしれない」といった戦術で挑む相手も出てくる。特に残留争いが本格化する秋の下位チームに多いが、それが早くも出てきたのが中断期間前の第24節・アウェイ水戸戦(7/14)だった。

この試合、それまで一貫して4バックで戦ってきた水戸が、3バック(守備時は5バック)の布陣を敷いた。5バックで引いて守る水戸を、横浜FCは攻めあぐねた。攻めあぐねたばかりか、前がかりになったところを突かれてカウンターで2失点。試合を通じてシュート21本の猛攻が実り、残り15分から同点に追いついたが、連勝記録はここでストップする。伊藤翔が「今後はこれまでのように普通に撃ち合ってくれる試合ではなくなってくる」と予感をもったように、「勝点1でもOK」と守りを固めてくる相手をどう崩していくか、リーグ再開後への課題を突きつけられる試合となった。

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