【サッカー人気1位】勝ち点1を拾った感のある試合、相手次第の割合が大きいピーキ…

HAMABLUE PRESS

【コラム】データで考える……2024シーズンの攻撃&守備

 

Football LAB』のデータを中心に、今季の戦いを振り返るこのコラム。過去年度と比較して、本編はさらに細かい数字で検証してみましょう。特に同じJ2を戦った2022年との比較に、この3年間の横浜FCの進化が見えてくると思います。

 

▼半数の試合でクリーンシート

今季のベースである堅守と、高水準にあった得点力を物語るデータとして、まずは試合の内訳から、無失点試合と無得点試合、複数得点差での勝利と複数失点差での負けがどれくらいあるかを見てみます。これらも試合数が違うので、パーセンテージで表します(カッコ内は実数)。

2022 2023(3B) 2024
無失点試合 31.0%(13) 25.0%(6) 50.0%(19)
無得点試合 16.7%(7) 33.3%(8) 23.7%(9)
複数得点差勝利 9.5%(4) 12.5%(3) 28.9%(11)
複数得点差負け 7.1%(3) 20.8%(5) 5.3%(2)

 

ちょうど半数の試合でクリーンシートを達成しました。ただ、無得点試合も増えていて、約1/4の9試合で完封されました。スコアレスドロー(0-0)が5試合、0-1負けが3試合なので、惜しいところで取れなかった勝点がそれなりにあった。清水の無得点が4試合だったことを考えると、そこが優勝に届かなかった要因の一つと言えそうです。

複数得点差での勝利、つまり安心して見ていられる試合が多かった。22年は複数得点差の勝利が少なかったため、獲得勝点=順位の割に得失点差が稼げませんでしたが、今年は得失点差の数字も良好でした。ただ、複数得点差での負けは終盤に2つだけとはいえ、第35節・仙台戦で0-3、第36節・岡山戦の2-4で得失点差を悪化させて、長崎に勝点が並ぶと順位を抜かれる状況になりました。それもどこかで0-0の試合を1-0に、もしくは0-1の試合を1-1にできていれば……というところです。

 

▼堅守の上に攻撃が機能

またFOOTBALL LAB独自のデータ指標で『AGI』と『KAGI』というものがあります。これとシュート数、被シュート数を順位で見てみましょう。AGI(Approach Goal Index)は「攻撃の際にどれだけ相手ゴールに近づけたか」を数値化したもので、「攻撃時間のうち相手ゴールに近い位置でボールを持っていた時間の割合が高い」「攻撃が始まってから敵陣ペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が短い」場合に高い評価となります。KAGI(Keep Away from Goal Index)は「守備の際にどれだけ相手を前進させなかったか、相手を自陣ゴールに近づけなかったか」を数値化したもので、「相手の攻撃時間のうち自陣ゴールから遠い位置でボールを持っていた時間の割合が高い」「相手の攻撃が始まってから自陣ペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が長い」場合に高い評価となります(23年についてはAGIとKAGIはシーズン通算の数字、シュート数と被シュート数は3バック変更後24試合の数字で順位不明です)。

2022 2023(3B) 2024
AGI 17位(46.9) 12(49.5) 3位(57.2)
シュート数 8位(12.5本) 11本 1位(15.8本)
KAGI 10位(49.9) 6(49.5) 1位(59.9)
被シュート数 15位(12.8) 14.2本 1位(8.8本)

 

22年のKAGIはリーグで10位でしたが、今季のKAGIはリーグトップの評価を得ています。つまり、単にゴール前で守備陣が体を張って防いでいるから失点が少ないわけではなくて、前線からしっかりプレッシャーをかけていき、チーム全体として“相手を自陣ゴールに近づけないような”守備ができていた。それがリーグ最少の被シュート数、さらにはリーグ最少失点につながっていることが分かります。

そして、22年のAGIはリーグで下から6番目の17位で、シュート数も8位でした。チームとしてあまり攻撃が上手くいっていない中で、小川航基や長谷川竜也の個人の力でリーグ3位の得点を挙げていた印象です。それが今季のシュート数はシーズン通してリーグ1位であり(これに関しては後述する理由もありますが……)、AGIも3位。堅守の上に、チームとしての攻撃も十分に機能していたことを物語っています。

 

 

▼ボール奪取位置比較から

さらにDAZNのデータで、ハーフタイムや試合終了後に紹介される『ボール奪取位置比較』のデータを見てみます。このデータが紹介されるようになったのは昨年からなので、22年と比べられないのが残念ですが、J1とJ2の差、あるいは今季の進化を知ることはできるでしょう。(ただし、このデータが紹介されない試合が今季は3試合ありました。第2節・アウェイ大分戦、第22節・アウェイいわき戦、第27節・アウェイ群馬戦です)

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