J1第7節全試合振り返りLIVE(J論)【3/31(月)22時】

HAMABLUE PRESS

あの日を超えて……2024-J2第38(最終)節・山口戦(A)マッチレビュー

 

▼2024明治安田生命J2リーグ 第38節

11月10日(日) 14:03キックオフ/維新みらいふスタジアム(9,753人)

レノファ山口 0-0 横浜FC(Jリーグ公式サイト

 

2018シーズン、エジソン・タヴァレス監督に率いられた横浜FCは、J2リーグ戦を21勝13分8敗、勝点76で終えたものの、同じ勝点の大分に得失点差で『6』及ばず、3位で昇格プレーオフに回った。4位に入った町田は当時J1ライセンスを持っておらず、横浜FCは5位・大宮と6位・東京ヴェルディの勝者と、一発勝負の決勝戦を戦うことになった。

昇格プレーオフのレギュレーションでは、90分が終わって同点の場合に延長戦は行わず、シーズン上位チームの勝利という扱い。ここを突破してもまだJ1の17位・ジュビロ磐田とのプレーオフ決定戦が残っていたものの、『引き分けでもJ1昇格に大きく近づける』一戦だった。

2018年12月2日、どんよりした曇り空のニッパツ三ツ沢球技場に12,625人が詰めかけた。試合は横浜FCがヴェルディを圧倒する。28分のカウンター、瀬沼優司のクロスから大エース・イバが強烈なヘディングシュートを放つがポストを直撃。71分、カウンターから駆け上がった北爪健吾がボックス内で右足を振り抜くが、GK上福元直人がセーブ。一方、ヴェルディは61分の直接フリーキック以外にチャンスを作れていなかった。

内容的には勝ち試合。スコアを動かせなかったが失点の気配はなく、そのまま終われば良かった。アディショナルタイム、前線で相手のミスを拾った瀬沼が上福元と1対1になるが、苦しい体勢から放ったシュートは左ポストをかすめてゴール裏に転がっていった。もう少し内側に入ればそこで試合も決まっていたが、それでもそのまま終われば問題はなかった。しかし──。

90+6分、ほぼラストプレーだったであろうヴェルディのコーナーキック。上福元が持ち場を捨てて横浜FCゴール前に上がってきた。マークについた齋藤功佑を振りきった上福元のヘディングシュートが枠内を襲い、GK南雄太は手に当てるのが精一杯で、ボールがピッチに落ちる。クリアしようと懸命に伸ばした南の足より先に、ドウグラス・ヴィエイラの長い足が伸びてきてゴールに押し込んだ。

その瞬間、キャプテンマークを巻いた佐藤謙介は膝から崩れ落ち、芝に転がって天を仰いだ。横浜FCでプロ入りして8年目、ハマブルーの背番号8はこの日J1に最も肉薄し、無情にもはね返された。

 

【選手交代】(横浜FCのみ)
66′ 慶治朗→室井
80′ 英二郎→拓海、カプリーニ→JP
89′ 髙橋→伊藤翔

 

 

▼武田英二郎、最後の出陣

試合メンバーのリストは通常、キックオフの2時間前を目処に発表されるが、維新みらいふスタジアムで行われたこの試合に限ってはなぜか20分近くも遅れた。それに直接関係はなかったはずだが、横浜FCファン・サポーターにとってのサプライズは、武田英二郎がスタメンに名を連ねていたことだった。

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