プレシーズンの積み上げを見せろ……2024-J2開幕節・山口戦プレビュー
いよいよ2024シーズン開幕です! 2年ぶりのJ2で、新シーズン一発目は相手のこともよく分からないこともあり、昨年同様に相手の番記者さんに話をお伺いして、それをもってプレビューにしたいと思います。お相手していただくのは、山口宇部経済新聞編集長にしてエルゴラッソ山口担当を務めておられる田辺久豊さんです。それでは、どうぞ。
▼新監督を迎え、残留を目指す山口

どうもどうも、1年で戻ってまいりました……

お帰りなさい。またよろしくお願いします

今回も1年で昇格するつもりなので、短いお付き合いでお願いします……

まあそう言わずに(笑)。こっちはいきなり開幕からJ1級と当たるというので頭が痛いですよ……

J1級と思っていただけて、嬉しい限りでございます……

どう見てもJ1級でしょ、そりゃ(笑)

外からの評価が高いのは警戒されてるということで、気を引き締めないといけないですね。さて、去年の山口はどんな感じでしたか? 20位でギリギリ残留ですから、だいぶ苦しいシーズンだったとは思いますが……

途中で監督交代もありましたからね。得点力もなかったし、なんとか残留できたというのが実態です

名塚善寛監督からフアン・エスナイデル監督に交代したのは正直、「大丈夫か?」と思ってました(笑)

そうですよね(笑)。でもサッカー的には至って普通というか、ハイラインハイプレスですごくアグレッシブなことはやりたかったんでしょうけど、割と早い段階で現実路線になりました。攻撃で中央への縦パスはリスクにつながるから禁止、サイドバックにも上がることを禁じたり、残留をとにかく目指すんだというような感じで、リスクを取らないサッカーをやって何とか勝点を積み上げて残留した感じです

名塚監督はボールをしっかり握って回してというサッカーでしたよね。でもせっかく残留させたエスナイデル監督からまた今季交代というのが、外から見ると謎ではあります

まあ結果的に、クラブとして求めていた方向とは違ったんじゃないかなという気はします

そして今年から志垣良監督が就任と。東福岡高校を卒業してイングランドに渡って、2年間選手として活動してその後現地で指導者に。Jリーグだけでなくシンガポールのアンダー代表やタイでも監督、コーチをやったり、経歴は多彩ですね。昨年はJ3に昇格したFC大阪で監督を務めて、一時は2位まで躍進させて最終順位は11位でした

そのJ3で結果を出したところに可能性を感じたということかなと思います。知っている選手や志垣監督を召喚したクラブの強化部に聞くと、人物像は非常に実直というか、真面目な方。実際に話をしてもそう感じましたし、割と細かい緻密な方という感じはありますね

今季の山口の目指すサッカー、スタイルは?

正直、トレーニングマッチが非公開で見られていないのでつかめていないところもありますが、後ろから丁寧につないでいる印象ですね。最初は「縦に速くなるんじゃないか」というイメージがありましたが、そうでもなくて、割としっかりつなぎながらビルドアップしていくことをやっています

ウチの選手が「蹴ってくるらしい」と話していましたが、そうではなさそうな?

蹴るイメージは練習を見ててもないですし、選手からもそういう声は特に聞かないですね

チームのスローガンとか、監督からよく聞かれる言葉は?

「走る」というのは印象にあります。走力は求められてますね。カバーリングとか自分のポジションに戻るとか、そういったことをサボらずにやることを求めてるっていう感じですかね

今季の山口の目標は?

そりゃもちろん『残留』ですよ

乱暴な言い方になりますが、それを守備的なサッカーで目指すのか、攻撃的なサッカーで目指すのかというところでは?

守備に関しては、基本的には前から行くということですけど、行けないときにはきちんとブロックを作って、そのポジショニングや約束ごとはけっこう緻密にやっていると聞いています

では、特に『攻撃サッカー』とか『堅守速攻』といった打ち出し方はしていなくて、点が取れなきゃ堅守がベースになるし、点が取れていけば攻撃的になる、みたいなイメージですかね

そうだと思います。何か大きな、キーワードとして挙げられるような特徴はなくオーソドックスで、基本は『4-4-2』で守備のときはブロックを作って、攻撃のときには『3-4-3』に可変するみたいです

オーソドックスということで、こっちとしても特別な対策というより、キャンプから積み上げてきたものをどれだけ出せるか、通用するかというのが測れる試合になりそうですね
▼今季の横浜FCは堅守+多攻

選手の加入、移籍について教えてください。……その前に土肥洋一GKコーチ、元気ですよ(笑)

土肥さんがいなくなって、練習場が静かで寂しいです(笑)。GKの練習はいつも楽しそうでした

ウチでも楽しそうにやってますよ(笑)。主力で出て行ってしまった選手は?

ガチの主力では矢島慎也(→清水)ですね。それと、完全に主力という感じではなかったですが、CBをやっていた生駒仁がいわきFCに行きました。矢島の代わりには金沢から加藤潤也が入ったので、それで代わりは収まったかなと思ってます

では新加入の目玉は加藤潤也と。この板倉洸という選手は名前のインパクトがありますね

イタクラ「コウ」じゃなくて「タケル」って読むんですよ。「コウ」って読みたくなりますけどね(笑)。八戸から去年はFC大阪、そして今年はレノファと、志垣監督のチルドレンです

「タケル」ですね。良い豆知識をありがとうございます

横浜FCは、去年と大きく変わったところは?

変わったといえば、まず去年の中で大きく変わったんですよ。最初は『4-4-2』で、ボールを握ってハイラインで押し込んで、奪われてもハイプレスで奪い返すみたいなサッカーをやりたかったんですけど、開幕から10試合勝てずに路線変更しました。3バックに変えて、守備時は5バックでガッチリ守ってカウンターになりました。その『堅守速攻』になってからは、一試合平均の勝点では残留可能なレベルを稼いだんですけど、最初の10試合で勝点を取れなかったのが響きました

そうなると高井和馬や橋本健人は厳しかったわけですか……

そうなっちゃいましたね……。だから今季のベースとしては、まずその堅守があると。そして昇格するためには得点を取って勝点3を取らなければいけない。J2での試合になると、J1みたいに後ろを空けて攻めてくるよりも、逆に引いて守ってカウンターを狙うチームも多くなるだろうということで、しっかりボールを持てるようにならなきゃいけないし、崩して点を取らなきゃいけないというところをキャンプからやってきた感じです
▼セットプレーが鍵になるか

では予想スタメンを見ていきましょうか。山口は『4-4-2』でしたよね
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