F・マリノスで引退したいと思っている。その覚悟で帰ってきたから。できれば、横浜F・マリノスで死にたい [飯倉大樹インタビュー(後編)]
【飯倉大樹選手インタビュー(後編)】
インタビュー・構成:藤井 雅彦
飯倉大樹インタビューの後編を公開する。
38歳になって感じられるようになったサッカーの味わい深さとは。
終盤にはマリノスファミリーへ向けた意思表示と決意表明も。
新シーズン始動まで、残すところ10日。
本年もヨコハマ・エクスプレスをよろしくお願いいたします。
→前編よりつづく
キー坊のような立派なキャプテンが先頭にいて、すぐ後ろに宏太や龍太といった経験豊富な選手がいてくれた
振り返ってみると、オレは2024年もバランサーに徹していた気がする。前に出過ぎたらいけないと思うし、それが最年長選手の役割だと思うから。
チームにはキー坊(喜田拓也)のような立派なキャプテンが先頭にいて、すぐ後ろには(水沼)宏太や(小池)龍太といった経験豊富な選手がいてくれた。
宏太はとにかくよくしゃべってくれる。練習の雰囲気が緩かったら、緩いとハッキリ言ってくれる。これはものすごくエネルギーが必要なことで、簡単にはできない。それを自然とできるのは彼のパーソナリティの成せる業だと思う。
龍太は苦労人だった背景があって、たくさんの経験を持っている。だからこそF・マリノスのエンブレムを背負う重みを理解していた。怪我で苦しい時期もあったと思うけれど、試合に出られなくても陰ながらチームを支えてくれた。
彼らは良い時期のF・マリノスを知っている選手だから、逆に今の自分たちが物足りないことにも危機感を抱いていた。流れが良い時は何をしても自然と上手く進んでいくけれど、流れが悪い時に口に出せる人間はとても大事。
若い選手たちが、それをどれくらい感じていたのか。試合に出るだけで満足していたらダメで、大切なのは何をできたのか。ピッチ内外でできることはもっとたくさんあったと思う。エンブレムの価値が薄れてしまったら横浜F・マリノスではなくなってしまう。
ミスしたあとや、上手くいかなかった時に切り替える速度は、たぶん若い時の倍速だね。このメンタルを25歳くらいで知りたかった。 38歳で気付くのは遅いなぁ(笑)
個人のプロサッカー選手としては、もっと試合に出たかった。38歳だから、もう少しで引退すると思われているかもしれないし、その気持ちも理解できるけれど、オレは抗うよ。若い選手を試合に使ったほうが将来性の面では期待できるのも分かる。社会の流れがそうなっていることも理解している。でもね、オレは簡単に受け入れない。
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