「今はボランチがすごく楽しいです。プロ3年目くらいで初めてボランチをやってみたら、意外とやりやすかったんですよね。『自分に合っているな』と思いました」 [和田拓也インタビュー(前編)]
和田拓也選手インタビュー(前編)
インタビュー・文:藤井 雅彦
皆さま、大変お待たせしました。
事前に和田拓也選手への質問を募集したところ、たくさんの質問が編集部に届いた。まずはこの場を借りて御礼申し上げたい。
ヨコハマ・エクスプレスではその質問や疑問を元にしたインタビューを実施。謎のベールに包まれていた和田拓也の素顔と本性に迫る。
前編の今回は、主にピッチ内での思考やプレースタイルのルーツについて聞いた。
なお、このインタビューはACL再開前に収録したのでご了承いただきたい。
――和田選手、今日はよろしくお願いします。
和田 拓也(以下、和田)
「よろしくお願いします」

©Y.F.M
――ヨコハマ・エクスプレスでは読者の方々に和田選手への質問や疑問を募集したので、たくさんの反応をいただきました。そこで今日はできるだけ多くの質問をぶつけてみたいと思います。僕の後ろにはファン・サポーターがいると思って答えてくださいね。
「わかりました! なんだか緊張しますね(笑)。どんな質問が来るのかドキドキします」
――では、さっそく質問にいきましょう。似ている質問は同時にいくつか紹介します。
「和田選手はなんでいつもそんなに周りが見えているのか、なんでいつもそんなに冷静かつクレバーなのか、教えて下さい」(ヒロぽんさん)
「いつも落ち着いていて一切慌てる様子がないのですが、プレー中に意識していることはありますか?」(いのうえさん)
和田
「ありがとうございます(笑)。冷静でクレバーな理由、慌てない理由ですか。そうやって見てもらえているのはうれしいですね。うーん、それを心掛けていることもありますし、性格的な部分もあると思います。試合に没頭して熱くなるタイプやスイッチが入る選手もいます。でも僕の場合はプレースタイルもそうですけど、一歩引いたところから客観視することが多いです。みんなと違うことを考えている場面も多いかもしれません」

©Y.F.M
――たしかに和田選手が慌てている姿はあまり見かけません。
「ミスした後に慌てた素振りを見せると、余裕がないことを相手に悟られてしまいます。だから悟られないようにしている部分は多少ありますよ。あとは慌てずに次の展開を予測して、ポジショニングなどでカバーするように心がけています」
――実は慌てている瞬間もある?
「サッカーなのでどうしてもイレギュラーなこともありますし、ちょっとだけパニックになっていることもあったりします(笑)。でも大切なのはそういった状況でもなるべく冷静に、次にベストな選択をすることだと思っています」
――受け答えもとても冷静です。では続いての質問です。
「ボールを受ける前に考えていること、または心がけていることはありますか?」(新屋敷さん)
「ポジショニングや配球をする上で一番意識している部分はどういったことですか?」(しげさん)
「ボールを受けたときに第一の選択肢として考えることはなんですか?」(金成さん)
和田
「とてもサッカーに詳しい方々の質問ですね」

©Y.F.M
――興味深い質問だと思います。是非よろしくお願いします。
「今シーズンはボランチでプレーすることが多くて、そうすると中盤の底の位置にいることが多いですよね。攻撃の場面ではGKや最終ラインからのボールを受けて前線の選手やサイドアタッカーにつなぐ役目を担っています。だから、とにかくどんな状況でもボールを持っている選手に対して顔を出し続けることを意識しています。正直言うと『今はボールをもらいたくない』というタイミングもあります(笑)。でも自分が動くことで相手も動きますし、状況や陣形も変わってくる。自分が周りの選手にとっての“逃げ場”になればいいかな、と。ボールを受けてから意識しているのは、前方向にプレーすること。これはボスからも要求されていることですし、できるだけボールを下げないことがF・マリノスのサッカーでは重要です」
――前方向というと、例えばトップ下のマルコス選手などのポジションを見ているのですか?
「自然と目に入りやすいのはシャドーの位置にいる選手なので、マルコスや(天野)純や(渡辺)皓太ですね。もちろん一番前の相手ゴールに近い選手を狙うパスやサイドの裏を狙う場面もありますが、攻撃を効果的に次のシーンへ移すためにはシャドーの選手にいかにいい状態でボールを渡すかが重要だと思っています。もし五分五分の状況(マイボールか相手ボールか)のパスになる時は、すぐにリターンパスを受けられるように準備します」
――丁寧にありがとうございます。続いての質問です。
「『サッカー偏差値の高さ』が和田選手を表す一つのキーワードとなっていると思いますが、ご自身としてはこれについてどう考えているのか。またどのようにして身につけたのかを伺いたい」(浜っ子さん)
和田
「これもうれしい表現ですね(笑)。
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