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【VS北海道コンサドーレ札幌】長友と森重の不格好な勝利の抱擁 “活きがいいベテラン”は「2人とも落ち着いてプレーするタイプじゃないから」

 

6 J112節 北海道コンサドーレ札幌 1-2 FC東京(札幌ドーム)

 

 札幌ドームの記者席に座ってピッチを眺める、僕の頭の中をへんてこワードが巡っていた。

 

 何て“活きがいいベテラン”なんだ──。目の前で繰り広げられる光景に思わずほほが緩んだ。一つのミスに奥歯をかんで悔しがり、体を張ったファインプレーには拳を振り下ろす。歴戦を物語る肉体や経験則を生かしたプレーとは裏腹に、ついこないだデビューしたての若手のようなリアクションで転がるボールを追いかけ続ける。そんな無垢なベテランがこのチームには2人もいるのだ。

 

 その一人に頭に残っていた、へんてこなワードをぶつけてみる。

 

「何というか、2人とも活きがいいベテランだったよ」

 

 森重真人はそれに相好を崩し、「そうでありたいと思っているからこそかな。だって2人とも落ち着いてプレーするタイプじゃないから。いいんじゃないですか? そういうのは」と返ってきた。

 

 そして、もう一人の長友佑都には試合直後に、「この3連勝の価値は」とレコーダーを向けた。

 

「どのくらいぶりだろう3連勝したのは? なかなか連勝できてなくて、自分たちの実力のなさや、優勝争いができないチームに情けなさを感じてきた。この3連勝はチームの底力を感じさせるものになったと思う。しっかりとアウェーで、しかも12年勝てていない場所で連勝を飾れた。苦しい場面で、最後に絶対に点を取らせなかったのは、チームの戦術がしっかりとしているというのもある。ただ、それ以前に勝つために大事なことを忠実にやった結果だと思う。もちろん満足はできないけどね。まず勝てなかった、連勝できなかったチームがこうして3連勝できたことで、強くなっていると感じると思う」

 

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