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「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

2024シーズンに「最多動員・最高益」を成し得た背景、そしてJ3での動員戦略とは?【市川聡・栃木SCマーケティングリーダーに聞く(後編)】(24.12.28)

©TOCHIGI SC

 

2024シーズン、栃木SCは一試合平均で過去最多となる6238人を集客、ホームゲームの売上高も過去最高益を記録した。トップチームの戦績が年間38試合で7勝に留まりながらも、勝ち負けに関わらず、多くのファン・サポーターに支えられていたという証左だ。

この間、栃木SCはクラブとして何に取り組んできたのか。このインタビューを通じて探っていきたい。

 

「チームの結果以外で栃木SCの価値を高める」ためのマーケティングの現在地とは?【市川聡・栃木SCマーケティングリーダーに聞く(前編)】

 

●後編のもくじ

・動員記録更新も「1万7千は行きたかった」

・夢パスを持つお子様は4000人に到達

・青春パスを持つ中高生とパートナー企業を繋げる

・平均6238人は過去最高値も「目標は未達」

・動員が「勝ち負けに左右されない」状況に

・やりたいことが何でもできることに感謝

 

▼動員記録更新も「17千は行きたかった」

――そういうマーケティング関連の業務をやりながら、市川さんはホームゲームの集客に対して責任を持たれていて、どれくらいは行きたい、ということをよく話されています。どうやって数字を上げることに力を注ぐのですか?

「色々な側面があるのですが、数字を上げる大前提になるのはチームが勝ち続けることがあると思います。ただ、それは僕の関与するところではないので、いったん置いておいて、今季については36節清水戦で16千人以上を集客したのですが、明らかに狙ってやったんです。実は、今季は最終節のホーム徳島戦で大型集客のスマイルチケットを準備していたのですが、もしかしたらその前の清水がここでJ1昇格が決まるかもしれないという状況だったので、『スマイルチケットをここにつけましょう』と提案して『クラブの最大来場者数を狙いましょう』と言ってやってみたんです。その当日はほかに栃木県トラック協会さんの冠ゲームだったので、芸能人さんもいらっしゃる日でもあり、ちょうど賑やかな日になると。それだったらここに一極集中して大きなヤマになる試合でやろうと。僕は『記録を狙いたい』と言い続けていて、結構ほかのスタッフたちは『うーん、どうだろう…』という感じだったんですけど、実際に超えることができた。僕自身は17千人は行きたかったんですけどね、本当は」

――なぜ17千なのですか?

「これまで15千人台後半だったじゃないですか(15857人、2009年の鳥栖戦)。それで今回が16476人だったんですよ。であれば、どーんと17千人まで到達すれば圧倒的にボンという数字になるから、1人でもいいから17千人を超えたかったんです。正直、これはいったかもしれない、と見ていたのですが、500人ほど足らなかったですね」

――やはり、スマイルチケットが大きく動員を動かす要素になっているんですか?

「そうですね。今のクラブの施策でザ・大型集客というのはスマイルチケットになります」

――あの清水戦のとき、スマイルチケットはどれくらい用意されたのですか?

「企業様からご協賛いただいたお金で実施するのですが、3万枚を準備して、関係各所に配布しています。これも、バラマキ施策のような形にならないよう、チケット担当のメンバー含めて都度検証しながら配布先を厳選するように今年から意識して対応しています」

――確かに、あの清水戦の前は僕の周りでも「清水戦に行きます」という声をすごく聞きました。

「今まで使っていない箇所は改善をしながら、これまでの使用率が50%以上あるところに枚数を増やしてもっと配布していくとか、全部調整することもしました。それを1年間で2回、夏などに実施したんです」

――使用率が分かるわけですね。

「そこはシリアルキーが付いているのでクラブでも分かるんです」

▼夢パスを持つお子様は4000人に到達

――サポートカンパニーの数も多いと思いますが、そこも使用率が上がるようにしていくのですか?

「そこが一つの課題ですね。来年の一つテーマかもしれないです。オフィシャルパートナーさんもチケットを使い切れていない現状があります。オフィシャルパートナー様、サポートカンパニー様にもっと来てもらいやすくするなど、来てもらえるような施策をしていく必要性は感じています」

――栃木フットボールマガジンも長年サポートカンパニーをやっていますが、今年は全部使い切りましたよ。

「ありがとうございます!」

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