「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J2第41節松本山雅FC戦 追い詰めたからこそ味わえる悔しさを、次へ。

2018明治安田生命J2リーグ第41節

2018年11月11日14時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 11,562人
天候 晴、無
気温 18.3
湿度 51%
ピッチ 全面良芝、乾燥

栃木SC 0-1 松本山雅FC
(前半0-0、後半0-1)
得点者:72分 田中隼磨(松本)

<スターティングメンバー>

GK 1 竹重 安希彦
DF 42 パウロン
DF 19 服部 康平
DF 17 福岡 将太
MF 29 川田 拳登
MF 5 ヘニキ
MF 6 古波津 辰希
MF 26 夛田 凌輔
FW 9 大黒 将志
FW 14 西谷 和希
FW 37 浜下 瑛
控え
GK 33 石川 慧
DF 28 温井 駿斗
MF 40 寺田 紳一
MF 50 二川 孝広
MF 41 西谷 優希
FW 16 榊 翔太
FW 49 アレックス

横山雄次監督

77分 古波津→アレックス
78分 浜下→寺田
83分 夛田→西谷優

(撮影は永島一顕)

 

流れが傾いた60分過ぎの出来事

 

首位松本山雅に対し、栃木はセットプレーを中心にチャンスを作ったが決め切れなかった。

他方、松本は自分たちに流れが来た時間帯にきっちり決めた。

栃木らしい試合であり、松本らしい試合だった。栃木はいい勝負をした。松本を追い詰めた。悔しい敗戦だ。次に繋がる悔しさだ。

 

前半から予想通り、両者堅い守備で隙を見せない展開だった。

栃木はロングスローとCKを軸に松本陣内に攻め入り、32分、服部康平がニアサイドで競り勝ってファーサイドの際どいエリアにボールを流す。前半の一番のチャンスだっただろうか。

 

一方、松本の攻撃の軸もスローインやCKから。

左サイドでは左ウィングバックの石原崇兆がスロワーを担ったが、スロワーを変えようとボールを預けた瞬間に石原が背後へ走り出して受けようとしたり、右CKではキッカーを担当するセルジーニョを軸にショートコーナーのキッカーが瞬時に入れ変わるなどトリッキーなパターンを何種類も用意したり、反町監督らしいあの手この手で相手の裏をかこうという意図が存分に見えた。

 

その点でいえば、栃木も服部康平への福岡将太のロングスローは、後半に入ると服部の頭ではなく手前に落とすボールを入れて服部が足元で収めてからターン、クロスからチャンスを演出するシーンを作るなど、栃木も松本に負けじと相手の出方を見ながら変化を加えることができていた。

この辺りも今季、武器であるセットプレーの精度ややり方を少しずつ磨いてきた成果に違いない。

 

セットプレー以外は双方チャンスにありつけそうにない展開。互いの守備ブロックは水漏れを起こしそうな気配はまるでなかった。

 

試合が動き始めたのは折り返した後半の60分を迎えようとした頃からだ。

この頃から栃木が中盤でセカンドボールを拾えなくなっている。

GK竹重安希彦のキックのターゲットはいつもどおりヘニキだったが、前半はこのボールに対するファーストボールの競り合いで五分五分だった。ヘニキがボールを前方へとフリックできれば、それがそのまま栃木のスローインやCKへと繋がっていた。この点はこれまでの試合と同じだ。

 

だが、60分を迎える辺りからヘニキが競り勝てなくなっている。

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