「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3第27節C大阪U-23戦 今季初となる5連勝、満身創痍のチームを救った男たちの大仕事。

2017明治安田生命J3リーグ第27節

2017年10月14日14時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 3,633人
天候 曇、無風
気温 15.4℃
湿度 82%
ピッチ 全面良芝、乾燥

栃木SC 1-0 C大阪U-23
(前半0-0、後半1-0)
得点者:52分 菅和範(栃木)

<スターティングメンバー>

GK 15 ジョニー レオーニ
DF 26 夛田 凌輔
DF 5 尾本 敬
DF 22 メンデス
DF 7 菅 和範
MF 38 宮崎 泰右
MF 11 岡﨑 建哉
MF 24 和田 達也
MF 8 廣瀬 浩二
FW 20 藤沼 拓夢
FW 14 西谷 和希
控え
GK 1 竹重 安希彦
DF 17 福岡 将太
DF 29 川田 拳登
MF 2 西澤 代志也
MF 16 仙石 廉
MF 21 牛之濵 拓
MF 10 杉本 真

横山雄次監督

57分 廣瀬→川田
68分 宮崎→西澤
90+5分 藤沼→福岡

(写真は永島一顕)

危機的な状況で決定的な仕事を果たしたのは

 

グリスタに到着し、スタメン表を見ると、ネイツ・ペチュニクの名前がなかった。

ペチュニクは2日前、練習終了間際に全体練習から離れていたが、試合出場は不可と判断されたようだった。

 

この日の2トップは西谷和希と藤沼拓夢。

FWはペチュニクのほか、上形洋介もケガから復帰できていない。服部康平は累積警告による出場停止。

服部が出場可能であれば、おらそく服部が前線のポスト役として起用されていただろう。442同士のミラーゲーム。ファーストボールの競り合いに服部はうってつけの選手だ。

 

しかし、ポストプレーヤーが不在という緊急事態に陥ったこの試合。

 

ポスト役をこなしたのは藤沼だった。

藤沼はポストプレーも卒なくこなすタイプ。まるでドスドスと音を立てるように来る相手の元日本代表DF茂庭幸照のアタックを背中に受けながら、しっかりキープしようと試みていた。悪くなかった。

もちろん藤沼の持ち味は、前を向いてスペースへ持ち運ぶドリブルの推進力にある。よりスペースができ、彼のスピードが活きる後半途中からの登場が現状では最適だろうが、藤沼は緊急事態のなかでチームの役割を果たそうと必死だった。それが前半の立ち上がりの状況だった。

 

「J3で首位にいるだけあって、切り替えが非常に速いチームだなという分析はしていたが、それを改めて感じたゲーム」

 

敵将の大熊裕司が認めている。

栃木は、攻→守、守→攻、いずれの局面も速かった。2日前の練習後のコメントで横山雄次監督が「インテンシティが上がってきている」と話しているが、まさにそれがこの試合のピッチにも現れていた。

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