「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】第3回栃木南北決戦、JFLウーヴァ×KSL1部ヴェルフェはドロー決着。

(文・写真 永島一顕)

 

JFL開幕直前ながら満足いかないウーヴァ、調整途上ながら上々の出来のヴェルフェ 

 

日本フットボールリーグ(JFL)で8季目の戦いに挑む栃木ウーヴァFC26日、栃木市総合運動公園陸上競技場での「第3回栃木南北決戦」で関東サッカーリーグ(KSL1部のヴェルフェたかはら那須と対戦、11で引き分けた。

 

試合は、前半23分、ウーヴァのFW若林学がアクシデントによりピッチ外に出ている間に、1人多いヴェルフェが敵陣へ攻め込み、FW神村秀斗の左クロスをMF進藤圭介が頭で合わせて先制。その後もヴェルフェがチャンスを作る場面があったが決められず、38分にウーヴァが得たPKMF内山俊彦が決め同点、そのまま前半を折り返した。

後半に入ると、何度かゴールに迫ったヴェルフェの運動量が落ち込んでくるとともにウーヴァの攻め込むシーンが増え、DF岡本洵のオーバーヘッドシュート、DF鵜飼亮多のロングスローを利してゴールに迫るなどした。しかし、ともにネットを揺らすまでには至らず、11のまま試合を終わった。

 

開幕を1週間後に控えたウーヴァの堺陽二監督は「今日はゆるゆるだった。緊張感が足りず、現在の状況を肌感覚で分かっていない」としながらも試合内容を「予想通り」とも評し、開幕に向けてチームを締め直す姿勢を見せた。今季については「昨季突きつけられた現実から立ち上がらないといけない。全員が戦力であり、誰が入っても個性が出せ、どんなにぶざまでも、何だかんだ勝っているというチームにしたい」と意気込みを言葉にした。

また、38歳の大ベテラン若林は「満足いく内容、結果ではないので修正して開幕を迎えたい。昨季は、自分たちだけでなく応援してくれた方々も悔しい思いをしたと思うので、チームを一つにまとめていき、悔しい思いを晴らせるようにしたい」と健闘を誓った。

 

一方、ヴェルフェの堀田利明監督は「疲労がピークの中で良くできたと思う」。1カ月後の天皇杯県予選1回戦が今季初の公式戦で、4月中旬のKSL1部開幕までにも時間があり、調整途上のチームに上々の評価し、「しっかりとボールも人も動いていた。MFの秋谷直紀、小野優二、小林俊介の3ボランチも機能するようになってきている」と期待を寄せた。

今季も主将を務めるGK小林庸尚は「点を取るチャンスがありながら決め切れないと勝ちを持ってこられない。ワンステップ上に行くには、決定力の向上は欠かせない」。PKを与えたシーンについては、「ペナルティエリアの内か外かということも考えてプレーする必要があることを改めて考える機会になったので、公式戦に向けてしっかり意識づけしていきたい」と話し、今季の飛躍のためには一層のチーム力向上の必要性を感じ取ったようだった。

ヴェルフェの堀田利明監督

ヴェルフェの堀田利明監督

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ウーヴァの堺陽二監督。

ウーヴァの堺陽二監督。

栃木ウーヴァは15日、栃木市の「肉のふきあげ」で2017シーズンキックオフパーティーを開き、栃木市の赤羽根正夫副市長はじめ、出席したスポンサー、パートナーなどから、選手・スタッフが激励を受けた。

岩原克彦代表は「(降格を免れた)昨季の反省を踏まえ準備してきた。強い信念を持ち、人間力を優先した選手でチームを編成した。厳しい戦いが予想されるが、一年間頑張っていくのでご声援をよろしくお願いします」とあいさつ。堺陽二監督は「昨季は応援して下さる皆様に失望を感じさせるシーズンにしてしまった。何とかJFLの舞台で戦える権利を得た今季は、真価を問われるシーズンとなる。鉄の結束を持って戦っていく」と意気込みを言葉にし、今季のスローガン「不屈の魂」を掲げた。

来賓からは「昨季の成績にはガッカリした」と厳しい声も聞こえたが、「堺監督の下、パワーアップが図られていることと思うので大いに期待している。ステージ優勝を目標に、将来にはJ3昇格の夢をかなえてほしい」などとの言葉もあり、歓談では選手一人ひとりが激励を受けた。

今季のユニホームもお披露目されたが、同日時点でユニホームスポンサーが決定していないため、選手が「ユニホームスポンサーのご協力をお願いします」とお願いする一幕もあった。

栃木ウーヴァの開幕戦は12日、栃木市総合運動公園陸上競技場でのソニー仙台FC戦。午後1時キックオフ

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