「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【ニュース】高校サッカー 佐野日大、ベスト4で大会を去る。力及ばず前橋育英に敗戦。 第95回全国高校サッカー選手権大会

持ち前の堅守で優勝候補に善戦

 

第95回全国高校サッカー選手権大会準決勝

佐野日大(栃木) 0-1 前橋育英(群馬)

 

前橋育英は強かった。だが、佐野日大も持ち前の堅守を全面に押し出し、渡り合った。

 

7日、第95回全国高校サッカー選手権大会準決勝2試合が開催され、栃木県代表の佐野日大高校は、群馬県代表の前橋育英高校と対戦し、0対1で敗戦、ベスト4で大会を去った。

 

ここまでの戦いがそうだったように、序盤から佐野日大は5バックによる堅守を全面に押し出して前橋育英の二重、三重と繰り返される攻撃を防いでいく。そして奪ったボールをカウンターへ移行しようと試みるのだが、相手の前橋育英も佐野日大の強みは十分に把握、カウンター対応をほぼ完ぺきに発揮して攻撃の芽を刈っていく。

 

佐野日大は相手に終始押し込まれる苦しい展開ながら、一瞬の隙から逆に決定機を迎える。29分には、ゴール前の混戦から10番の長崎達也が豪快に右足を振りぬき、鋭いシュートを放ったが、これは相手GKがファインセーブではじき出した。

 

直後の30分、佐野日大は、前橋育英に長いボールによって守備ブロックを揺さぶられると、空けてしまったゴール前のスペースに二列目から高沢颯に走り込まれて先制ゴールを突き刺された。

 

佐野日大は先制されて折り返された後半も、変わらず堅い守備から少ないチャンスをモノにするスタンスは変えず。59分には前線から相手のビルドアップをひっかけてショートカウンターを発動、またも10番長崎達也がフィニッシュまでこぎつけたが、相手DFの必死のスライディングタックルに阻まれゴールならず。

 

終盤に差し掛かるにつれて、ビハインドをひっくり返そうとする佐野日大は攻撃的な選手を次々と投入し、チームの重心を前へ押し出していく。時間の経過ととともに前でボールを引っ掛けられるシーンが増えてくると相手ゴールへ圧力が高まったが、ここまで無失点で勝ち上がってきた前橋育英の守備を崩すことはできず、同点ゴールを奪えないまま時間が経過し、ついにそのまま無常のホイッスルが鳴り響いた。

 

堅い守備から素早いカウンター。長崎達也を中心とする前線の選手たちが手数をかけずにゴールを奪い切る攻撃力は、トーナメントを勝ちあがるに相応しいものだったが、準決勝の相手、前橋育英はそれを上回る攻守の総合力の持ち主で、それに跳ね返された格好だ。だが、佐野日大の戦いぶりは、いま持てる力をすべて出し切った、といえるに値するものだった。 

チーム初となるベスト4という戦績には胸を張って凱旋してほしい。 

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