「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】障がい者スポーツ 栃木県代表として公式戦初勝利 第16回全国障害者スポーツ大会「希望郷いわて大会」サッカー競技関東ブロック地区予選会

2022年に栃木で開催される全国障害者スポーツ大会に向けて、昨年初めて結成された栃木県代表チーム

2022年に栃木で開催される全国障害者スポーツ大会に向けて、昨年初めて結成された栃木県代表チーム

関東の舞台で公式戦初勝利

 

山梨県の昭和町押原スポーツ公園でこのほど行われた第16回全国障害者スポーツ大会「希望郷いわて大会」サッカー競技関東ブロック地区予選会。昨年に続き2度目の出場となった栃木県代表は、1回戦でさいたま市を2-1で下して公式戦初勝利を飾った。

 

昨年の初戦、群馬県に0-3で敗れた試合後、悔し涙で目を腫らす姿も見られた本県代表の選手たち。その悔しさをバネに重ねてきた練習の成果を、今年の大会で見事に発揮して見せた。

さいたま市戦は、前半に先制点を奪って試合を優位に進めながら同点とされて折り返す。後半に入って押し込まれるシーンもあったが粘り強くプレー。終盤に左サイドからのパスに合わせた飯嶋正勝選手が先制点に続くゴールを決めて勝ち越し、目標の大会初勝利を手に入れた。

 

新たに加入したメンバーも含め、今季のチームはスピード、パスを含めたプレーの正確性、粘り強さが確実に向上。種倉寛監督(元栃木SC)は「練習でやってきたことをしっかり出してくれた。チームにとってとても意義ある1勝」と、選手たちのプレーぶりを高く評価。2年連続で大会に出たゲームキャプテンの林達也選手も「1勝できて本当にうれしかった。(さいたま市戦は)攻める気持ちを忘れずに2点取れたことが良かった」と勝利した試合を振り返った。

 

しかし、2回戦では、昨年、全国大会を制した東京都に0-7の完封負け、力の違いを見せつけられる結果に。種倉監督は「実力差があった」と現時点でのチーム力の差を実感。「本当の強さを実感できたことは何よりの収穫」と、チームのさらなる成長に期待を込め、「守備の原理原則を改めて知った思い。選手の育成につなげていきたい」と指揮官として今後の指導につなげていこうとの思いを言葉にした。

 

さいたま市戦終了後1時間余でキックオフとなった東京都戦は点差が離れたものの、この日初戦の相手に対し見劣りしないプレーを見せた時間帯もあった。選手たちが手ごたえを感じたのも確かで、林ゲームキャプテンは「点差ほど劣ってはいない」と言い、「守備面の修正と決定力を向上していきたい」と抱負を発した。「思った以上に強かった」と感想を話したGK中嶋達也選手も「パス回しやボールへの対応に磨きをかけ、リベンジしたい」とチームの飛躍を期す思いを明確に表した。

 

2022年に本県で開催される全国障害者スポーツ大会に向けて、昨年初めて結成された栃木県代表チーム。まだまだ、全国のトップレベルと実力差があることは否定できないものの、チームレベルが向上していることは今年の戦いぶりから感じ取れた。これからも階段を一段ずつ着実に上って行ければ、いつしか全国大会で活躍することも決して夢物語ではない。

(文・写真 永島一顕)

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