「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【マッチレポート】栃木ウーヴァ JFL開幕2連敗。気迫に欠けた前半が仇に。

第18回日本フットボールリーグ ファーストステージ第2節
3月13日13時キックオフ 栃木市総合運動公園陸上競技場

栃木ウーヴァFC 1-4 ヴァンラーレ八戸
(前半0-3、後半1-1)

後半ロスタイム、MF松田悠佑の左CKにMF福田周平が飛び込んでヘディングシュート。この後、浮いたボールをFW内山俊彦が頭で押し込んでウーヴァは1点返す

後半ロスタイム、MF松田悠佑の左CKにMF福田周平が飛び込んでヘディングシュート。この後、浮いたボールをFW内山俊彦が頭で押し込んでウーヴァは1点返す

気迫に欠けて開幕2連敗

 

JFLの開幕戦でFC大阪に1-2で敗れた栃木ウーヴァFCは13日、昨季のファーストステージを制したヴァンラーレ八戸を、栃木市総合運動公園陸上競技場に迎えてホーム開幕戦に臨んだが、1-4で敗退。開幕2連敗となった。
「ホーム戦とは思えない気迫のなさだった」と阿部琢久哉主将が振り返ったように、前半のウーヴァは、相手選手や球際への厳しさに欠け、特に、中盤でボールを奪われるシーンが目立った。

 

前半23分、右サイドから流し込まれたグランダーのパスを合わされてあっさり先制点を許すと、5分後には連係の悪さを突かれて2点目を失った。さらに10分後には、ゴール前の混戦を押し込まれ、アッという間に3点のリードを許し、早くも「勝負あった」の感が漂ってしまう始末。

 

この不甲斐ない試合展開にスタンドからは「自分たちのホームだぞ」などと声が飛んだが、結局、前半はシュート0のまま終わった。「サポーターの声のとおり、どっちがホームだか分からない感じで、おっかなびっくりプレーし、ゴールに向かう姿勢も伝わってこなかった」と戦いぶりを振り返った堺陽二監督は、ハーフタイムにテコ入れする。ミーティングで選手の気持ちを締め直してピッチに向かわせ、「変化を加えなくてはいけなかった」と一度に2選手を入れ替えて後半をスタートした。

 

求められるのはメンタルの強化

 

すると、ウーヴァは、前半とは見違えるような動きを見せた。「このままでは終われない。相手より走らないと何も生まれないと思って戦った」(阿部主将)との言葉通り、アグレッシブさを取り戻しゴールに向かう姿勢を見せる。
後半16分、FKを直接決められて4点のビハインドを背負うこととなっても、「何とかしよう」と必死のプレーを続ける。繰り返し繰り返し攻めて行き、前半とは見違えるほどスタンドが沸くシーンも増えた。
ただ、相手は昨季2位の八戸。ゴールはこじ開けることは簡単ではなかった。それでも、ウーヴァの選手たちは走り続け、相手ゴール前でのプレーが目立つようになった。

 

それが、ようやく実を結んだのがロスタイムに入ってから。MF松田悠佑の左CKにMF福田周平が飛び込んで頭で合わせ、さらに浮いたボールをFW内山俊彦が頭で押し込み、やっとの思いで1点を奪取した。
結果は、1-4の完敗。堺監督は「ホーム開幕戦ということで、多くの人たちの手で素晴らしい雰囲気の会場にしていただいたことに感謝している。それだけに、勝てずに申し訳ない」と、勝ち点3を取れなかったことを最初に悔い、敗戦を重く受け止めた。

 

阿部主将は「戦術が浸透しても、選手に戦う気持ちがなければ何にもならない」と、今、チームに一番求められていることがメンタル面の強化であることを示唆。そして、「普段の練習の時から、戦う気持ちを持ってやっていかないといけない」と表情を引き締めて話し、「(次節以降の)残るホーム4連戦は、強い気持ちをもって戦い全勝したい」と力強く話した。

 

確かに、前半の戦い方が勝敗を左右した感は否めないが、堺監督が「次節につながるパフォーマンスをしていた」と発したように、後半については及第点を与えてもいいサッカーだったことも事実で、気迫あるサッカーができないチームでは決してない。
堺監督は、会見等で「お客さんに繰り返しスタンドに来てもらうためには、ウーヴァは面白いと思ってもらえるサッカーしなくてはいけない」と幾度となく言葉にしている。八戸戦の後半のような試合ができれば、その言葉も現実のものとなるだろうし、試合を重ねるごとに「面白いサッカー」を見せてくれることを期待したい。(文・写真 編集部スタッフ)

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