笑顔なき歴史的ベスト8進出。「高い授業料を支払った」原因は?【ルヴァンカップ・セレッソ大阪戦/マッチレビュー】
■JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド 第2戦
6月9日(日)14:00キックオフ
町田GIONスタジアム/5,243人
FC町田ゼルビア 2-2 セレッソ大阪
【得点者】町田/5分 ナ・サンホ、21分 昌子源 C大阪/26分 オウンゴール、36分 上門知樹
▼ハーフタイムに落ちた“カミナリ”
開始わずか5分、“黒田ゼルビア”十八番のセットプレーが早速猛威を振るった。バスケス・バイロンの粘り強いサイド突破から右サイドでCKを得た町田は、キッカーの下田北斗がグラウンダーのCKを選択。「準備してきた形」からボックス内に進入したナ ・サンホが右足を振り抜くと、ゴールネットが揺れた。
90分での大逆転突破のためには3点差の勝利が必要だった相手の戦意を削ぐ先制点。さすがにセレッソ大阪にとってはダメージが大きかったのか。先制された後のアウェイチームは、“フルボッコ状態”に陥ると、町田のシュートの雨を浴びた。町田にとっては、次の得点も時間の問題と言えるほどの攻勢を仕掛けた結果、21分には再びセットプレーから追加点をこじ開けた。
鋭く落ちる下田のキックは、望月ヘンリー海輝の頭を通過し、昌子源の足元へ。「どこでも良いから当たってくれ」と体に当てることだけを意識した昌子が、「右のすねに当たって」2点目を押し込んだ。
合計スコアは5-1。大逆転突破が遠のく1点にさすがのC大阪もファイティングポーズを下げるかと思われたが、逆に捨て身の反撃が町田の綻びを生んだ。
追撃の1点は26分、ルーカス・フェルナンデスがやや強引に縦パスを入れると、軌道の先に走り込んだレオ・セアラのトラップは流れたものの、そのボールが昌子に当たってゴールイン。「ディフェンスの選手をやっているとオウンゴールはつきもの。したことがない選手はいないでしょ」。そう言って昌子が強がった事故的な失点が、C大阪に勇気を与えた。36分には中央からヴィトール・ブエノがスルーパスを打ち込むと、最終ラインの背後へ抜け出した上門知樹が福井光輝の股を射抜き、C大阪が追いついた。
二度も中央を攻略された末の2失点。トータルスコアで5−3とまだ余裕はあったものの、不意を突かれた1失点目をきっかけにチームのムードは一変していた。前半だけで2失点を喫し、気落ちする選手たちの様子を見かねた黒田監剛監督は、ハーフタイムのロッカールームで“カミナリ”を落としたという。
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