「ゼルビアTimes」郡司聡

髙橋大悟/あの日の約束と1年目の忠誠心。エンブレムの重みを背負う10番の本音【ツエーゲン金沢戦/プレーヤーズ・ショート・コラム】

■明治安田生命J2リーグ第40節
10月29日(日)14:00キックオフ
町田GIONスタジアム
FC町田ゼルビア vs ツエーゲン金沢

熊本戦でのゴールは、サッカーの神様からのご褒美だった

▼「きっと無駄な時間ではなかった」

髙橋大悟は気づいていた。いつもより、自分のチャントを歌われる回数が多かったことをーー。

「10番に勝負(昇格)を決めてほしい」

町田サポーターはウォーミングアップ時に、髙橋のチャントを二度繰り返すことで願いを届けた。

「熊本戦前の僕のチャントは2回流れたんじゃないかな。いつもより多い気がしたんです。それを聴いたら、ちょっとウルッとした。意図的だったら、まあ泣きますよ」

町田サポーターの願いは叶った。ロアッソ熊本戦の52分、髙橋は左足を一閃。乾坤一擲、「僕らしくないゴール」は、黒田剛監督も「非常に重要なゴールだった」と振り返るほどだ。

「スターですね」

そう言って髙橋はおどけた。

相手を突き放すゴールを決め、髙橋は一目散にゴール裏へと向かった。その際、左胸のエンブレムを叩きに叩いた。加入1年目のクラブにそこまで帰属意識を持ち、忠誠心を誓えるとは。髙橋の胸中に耳を傾ける。

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