「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「粘り強さが最後に勝って帰れる要因につながった」+山口・霜田正浩監督【レノファ山口FC戦/監督コメント】

■明治安田生命J2リーグ第26節・10月17日(水)19:00キックオフ
維新みらいふスタジアム/3,133人
レノファ山口 0-1 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/76分 杉森考起

 

■霜田正浩監督(山口)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「ホームで非常に悔しい敗戦となりました。選手たちはよく戦ってくれましたし、戦術的に戦うという今年のチームのコンセプトどおり町田を研究して町田さんがやりたいことをしっかり抑えて自分たちがやりたいことをやる。そういう戦いができたと思っています。ただ僕たちはチャンスで決められずに町田さんが決めた。その一言に尽きると思います。

苦しい負けが続いていますが、次の試合はすぐやってきますので、下を向いている暇はないと思っています。累積警告で出られない選手も出てくるし、大けがをしてもう帰ってこられなくなった選手たちもいます。今いる選手たちでもう一回総力をあげて戦っていきたいと思います」

ーー大石治寿選手を初めて先発で起用した理由とその評価を聞かせてください。
「練習でも調子が良かったですし、練習試合でも点を取っているストライカーなので、どうしても点を取りたかったため、彼を先発で起用しました。彼の得点能力や嗅覚が一つ二つ出てくることを期待して起用しました。少ない時間でも結果を残せる選手なので、それなりに出場時間を与えれば、仕事をできる選手だと思っていました。今日はそういう日になりませんでしたし、あのボレーシュートを決めていれば一番良かったのですが、サッカーは思いどおりにならないことが多いです。次のチャンスでは決めてくれると信じています」

ーー前半は球際も激しく、前半は相手に攻め込まれる形を作らせませんでしたが、後半は足が止まってきたのか、町田さんの対応なのかもしれませんが、一歩で遅れる形でサイドから攻め込まれて失点につながりました。後半にそうなった原因は?
「後半になって運動量が落ちましたし、つまらないファウルをしてしまって、相手にたくさんのセットプレーのチャンスを与えてしまい、ゴール前に放り込まれて、こぼれ球を拾われる展開になりました。町田さんがそういうサッカーをやってくるので、なるべくそういうサッカーをしないようにしていましたが、どうしても相手からボールを奪いたいという気持ちが強過ぎて、無駄なファウルが少し多くなってしまったことは反省点です」

ーー前半は相手にシュートを打たせませんでしたし、3バックを採用している守備陣の評価をあらためて聞かせてください。
「前線からプレッシャーをかけて、パスの制限をして、後ろがある程度ここにボールが来るだろうと予測ができる展開に持っていきたいという話をしていました。ここ何試合かは失点をしていますが、守備に関しては良くやってくれていると思っています。後ろで耐えている間に点を取られているので、1失点することはある程度仕方がないことだと思いますが、ウチが点を取れないことのほうが問題かなと思っています」

ーー山口はチャンスを決められず、町田さんは少ないチャンスを決めてきました。今年も残り試合が少ない中でチャンスを決めていくためには、練習でどんなことを突き詰めることが大事だと思っていますか?
「どうやったらシュートが入るか、それは世界中が探していることです。こうやったら点が取れるということは、ないと思っています。でも残り5試合になった時点でこれだけのゴールを決められるチームになっているので、決められている時には決められていますし、それを毎試合決められるようになるためには、まだまだ努力も練習も戦術も必要です。ただいろいろな点でレベルアップをしなければいけないと思います」

ーー後半の終盤は特にセカンドボールを拾えなくなる形が多くなっていましたが、セカンドボールをより回収できる方策はあったのでしょうか?
「もうとにかく縦に蹴って、タッチラインにボールが出て、スローインから展開してというサッカーを町田さんが徹底してくることは分かっている中でやっていることなので、奪ったボールを狙った位置に蹴ることができればチャンスも広がりますが、狙っているところに蹴れない技術不足もあります。若い選手はまだまだ成長が必要です。町田さんが90分間やることを徹底してくる中で、ウチのチームが対応できる力が足りないのかなと思っています。

後半はファウルが多くなったことで、相手にゆっくりとボールを持たれる時間が増えましたし、圧倒された意識はないですが、僕たちが決めるべきチャンスを決めていれば、流れは五分五分、もしくは自分たちの流れになったのかなと思います」

ーー前節・アビスパ福岡戦からフィールドプレーヤーを4選手入れ替えて、入れ替えなかった5選手の中から次節の試合で2選手が出場停止となりました。その事実に関しては、どう受け止めていますか?
「けがで出られない選手がいることは仕方がないですし、試合中のけがで出られなくなった選手、累積警告で出られない選手がいることは決まってしまったことなので、次に出る選手が頑張ってくれると思っています。そのために練習をしてきていますし、全員が意思統一をした中で残り5試合、どんなメンバーが出ても結果を残せるか。それは本当にチーム力が試される戦いになると思います」

ーー次のカマタマーレ讃岐戦に向けて。
「あまり時間がないので、今日出た選手はしっかりと回復をさせる。それからアウェイへの移動があるので、コンディションを回復させること、メンタルを切り替えること、それから相手を分析して、どうやって戦うか。その戦術を残り1日ぐらいでやらなければなりません」

 

■相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「平日のナイトゲームとなりましたが、遠く山口までわれわれのサポートに来てくだった方々、その方々にまずはありがとうございましたとお伝えさせてください。一緒に喜べることを非常にうれしく思っております。

ゲーム自体は渋いと言いますか、もしかしたら見どころが少ないゲームだったかもしれません。お互いに中2日、中3日という間隔での試合でしたし、台風による影響で延期されたゲームでしたから、この終盤にこういった連戦が入ることは、ただでさえ大変な部分があります。それでも最後まで粘って、勝ち点3を持って帰れることをうれしく思います。本当にそれは選手たちが頑張ってくれた結果ですし、応援してくれる方々の支えがあってこそです。選手たちも含めて、ファン・サポーターの方々にも感謝したいなと思います。

山口さんのここ最近のゲームでは、長いボールを中心にセカンドボール争いを重視するという戦い方をしていました。今日は特にわれわれが中2日での試合で、山口さんは中3日での試合でしたから、そういう意味では体力的なアドバンテージは間違いなく山口さんにあるため、山口さんはそれを最大限に生かす戦い方をしてきました。当然、前半は押し込まれて苦しい時間帯が多くありましたし、実際に相手のシュートミスに助けられた部分もあったかなと思います。

ただ、やはりこういう展開をなんとか粘って勝ち切っていくには多少の運も必要だと思いますし、局面で体を投げ出している選手、そこまで戻って体を寄せている選手がやはりいたということが、運を引き寄せたこととまったく無関係ではないと思っています。そういった粘り強さが最後に勝って帰れる要因につながったのかなと思います。

最初にも申しましたとおり、少し長いボールが多い、そしてルーズボールを拾い合うゲームだったと思いますが、その中でお互いにかなりラインを上げ合っている戦いをしている中で、どちらがそのチャンスを決め切るか。そういうゲームになったと思います。

そういう観点で言えば、セットプレーがもう少しポイントになるかなと思ったのですが、セットプレーから惜しいチャンスを作った中でも点を取り切ることはできませんでした。ただ今日のわれわれはコンディションの面では不利な状況の中だったにもかかわらず、勝ち点3を持って帰れることは非常に大きいと思いますし、これは選手たちの今後への自信、そして僕自身にとっても、チームの自信がさらに深まる結果になると思っています。

また連戦でアウェイに出向いて岡山さんとの試合になりますが、少しでも良い状態とファイティングポーズを作って、岡山戦を戦えるようにしたいなと思います」

ーー今日は出場停止明けの選手(大谷尚輝)もいる中で、先発メンバーを5人入れ替える形になりました。メンバーを代えたことによる、チームとしての化学反応で期待していたことを聞かせてください。また、杉森考起選手はこの間、出たり出なかったりという状況でしたが、決勝ゴールを決めたこの間の杉森選手については、どのように見ていましたのでしょうか?
「まずは5人を入れ替えた理由ですが、先ほども申しましたとおり、コンディションの面ではわれわれのほうが不利な状況になるのはわかっていましたので、少しでも走力であったり、体のキレであったり、まずはそういうエネルギーのある選手にピッチに立ってもらうという狙いで5人を入れ替えました。ただ当然そうすることで、コンビネーションの面や阿吽の呼吸といったものもどうなるかわかりませんでした。

また、実際のキャプテンである井上裕大が怪我でいない状況である上に、ここ最近、ずっとキャプテンマークを巻いていた深津康太もベンチに置くということで、いろいろな不安要素はあったのですが、それでもコンディションの面を考慮し、いまの山口さんは走るという部分で非常に前への圧力があると思っていたので、根本的に走るパワーがないと難しいと判断したため、メンバーを入れ替えて臨むことにしました。それでもやはり連係不足もあってか、何でもないボールからピンチになることもありましたが、それが失点につながらなかったことは非常に大きかったなと思っています。

また杉森のことですが、ずっとコンディション自体は良い状態でプレーしてくれていました。ただなかなか彼の出場機会がない中で、前節の大分戦の試合後にも鼻息が荒い選手たちがいたという話をしましたが、今日はフレッシュな状態で入った選手たちは本当に鼻息が荒い状態だったと思います。まさに杉森はそのとおりで、そういう働きをしてくれていたと思います。実際に得点をした時間は中盤のポジションになっていましたが、ボックスの中のあそこまで入ってきていたことに象徴されるように、そういった姿勢がコンディションの良さを表わしていますし、どうしても自分がチームを助けたい、ゴールを奪いたいという思いがあったんだと思います。その結果が、ああいう形になったのではないかなと思っています。

実際にわれわれにはまだ、ここからもう1回連戦があるという中で、一人でも多くの選手がパワーを持っているということを見せてくれたことは非常に大事なことだと思いますし、さらにわれわれのチームの力になってくれると思います。今日勝ったことで、選手たちはさらに自信を深めてくれると思っています。それは今後に向けて大きなことになると思っています」

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