「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「選手たちが勝ちたいという気持ちを相手よりも出してくれた」+横浜FC・タヴァレス監督、佐藤謙介、渡邊一仁【横浜FC戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第27節・8月4日(土)18:00キックオフ
ニッパツ三ツ沢球技場/3,873人
横浜FC 2-3 FC町田ゼルビア
【得点者】横浜FC/58分 イバ、85分 佐藤謙介 町田/40分 平戸太貴、48分 鈴木孝司、71分 平戸太貴

 

■タヴァレス監督(横浜FC)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「前半は自分たちのやりたいようなサッカーができなくて、町田さんがハイプレッシャーでやって来るということは知っていました。そういう練習も今週はしてきたのですが、それをうまく試合で表現することができなかったです。逆に我々は相手がやってほしいことをやってしまい、フィジカル面で受けて立ってしまいました。今週はそこまでそういう練習をやってこなかったのですが、それをやってしまったがために、あのような前半の形になってしまったと思います。後半には少し選手を入れ替えて形を変えて臨んだのですが、少しは修正できましたし、特に右サイドが修正したポイントだったのですが、相手のディフェンダーが強く、こじ開けるのもなかなか大変でした」

ーーフォーメーションを変更してから少し流れが良くなったと思いますが、その狙いは?
「やはり逆転するという意図でシステムを変更しました。瀬沼を入れてレアンドロ(ドミンゲス)とのコンビネーションで相手の強固なディフェンダー陣を切り開くことが目的でそうしたわけですが、レアンドロもイバの近くで良いプレーをしてくれました。それでもやはり上手くいっていた時間帯に我々のミスが起こってしまって自分たちのやらないといけないこともできずにミスからの失点をしてしまいました。それでもその後に同点にできるチャンスが何度かあったのですが、最後の場面でちょっとした味付けというか工夫が足らなかったと思っています」

ーー町田戦に向けてどんなサッカーをしようと考えていたのでしょうか?
「後ろからもう少しつないでボールを動かすサッカーをしないといけなかったですが、ロングボール主体のサッカーになって、クリアボールを拾われて、攻撃を受ける形が多くなってしまいました。ロングボールに対してのセカンドボールも拾えずに相手の好むようなサッカーになってしまったと思います」

 

■佐藤謙介(横浜FC)
もう少し余裕を持ってゲームを進めないと
「町田があのように出てくることはみんながわかっていることで、ボールを止めれば、逆サイドは空いていました。もう少し余裕を持ってゲームを進めないと。町田さんもやることを徹底してきましたし、相馬監督がチームを率いて5年、6年経っています。負けたことは悔しいですが、わざわざバチバチやらずに、サイドチェンジを多用しながら戦えれば、後半のように前半から押し込む形に持ち込めたかもしれません。相手に合わせる時間が多すぎて、自分たちのゲームにならなかったです。上へ行くためには相手のプレッシャーをいなさないといけないですし、個々の能力でも状況に合わせてポジションを変えて落ち着いてやれるようにしないと。中で気づいてやっていくことも大事です。まだまだ足りない部分がたくさんあります。全員が最後までゴールを目指しましたし、同点まで持ち込めそうな流れでもあったので、次のゲームにつなげていきたいです。

セットプレーの質は厄介でしたね。ボールの質も中に入ってくる形も工夫していました。本数が重なると、キッカーと中の呼吸も合ってくるので怖さはかなりありました。セットプレーではやられないようにしていましたが、1対1の緩るさとかもったいない失点がありました」

 

■渡邊一仁(横浜FC)
力不足という言葉に尽きる
「2点食らってから立ち上がったかなと。パンチを食らってから立ち上がりました。相手の球際、切り替えという部分で後手に回った。僕たちとしてはつなぐ狙いはありましたが、相手のプレッシャーの早さもありました。正直、町田さんはどこのチームも対策を立てやすい相手だと思うんですよ。でもやりやすい中でこの順位にいる理由をすごく感じました。

自分たちがやりたい形があるけれども、それをやらせてくれないからこそ、この順位にいるんだと。相手の強みをモロに受けた感じがしました。2点を取られて目が覚めた中で反撃はしましたが、3失点目が痛かったです。フォーメーションを変えたこともそうですが、前半の最初からリスクを冒しても良かったかもしれません。相手の出方をモロに食らうのをもう少しいなすことができたのかもしれません。でも力不足という言葉に尽きると思います」

 

■相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「横浜という隣町での試合でしたが、たくさんの方々に町田から応援に来ていただきました。非常に力強くわれわれをサポートしてくださいました。まずはありがとうございましたとお伝えさせてください。

今日も非常に暑く引水タイムが入るような試合でしたが、お互いに1試合中止になっていたことでインテンシティの高いゲームになったのかなと思っています。球際の攻防もそうですし、バトルの多い試合になりました。その中で前半の良い時間帯に速い展開で先制することができて、相手のストロングポイントである2トップを生かし、サイド攻撃を仕掛けてくる形を作られましたし、お互いに良さを出し合う試合になったのかなと思っていました。

このゲームを勝利に持っていくためには一つひとつの球際の攻防を制すること、そしてまずはボールを持つことを逃げない状況を作っていこうと話して選手たちを送り出しました。選手たちは最後までそういったことをやってくれて、そういう中でクルっとターンすることや自分でボールを持ち出して相手をひっくり返すことなど、後半は押し込まれる時間が長くなった中でも、しっかりとマイボールを持ち出すことができて、その中からカウンターのチャンスを作ることでゴールを沈めてくれる場面がありました。

ただもう少しチャンスはありましたので、そのチャンスでもっと点が取りたいことも事実ですし、相手が形を変えてきた中で相手にルーズボールを拾われて、サイドに散らされて、サイドから中で勝負される形を徹底されました。1失点目はその形でしたし、われわれのボールへのアプローチに関してベンチから声をかけたのですが、もう少し早くベンチから声をかけてあげれば良かったです。もしくはピッチの中でルーズボールの対応を改善できたら、また少し違った部分が出たのかなと思います。

3点を取れたことは良かったのですが、2点を取られたことも事実です。最後もギリギリの場面がありましたが、夏場はまたギリギリのゲームが多くなってくると思います。ただ今日は本当に選手たちが勝ちたいという気持ちを相手よりも出してくれました。それが勝ち点3につながったと思っています。まだ夏の戦いが続くので、今日の結果に満足せず、次のゲームに向けての準備をしていきたいと思います」

ーー今日の2点目を決めた鈴木孝司選手は8試合ほどゴールから遠ざかっていました。点が取れない時期もありましたが、この間の孝司選手について、相馬監督の目にはどう映っていましたか?
「そろそろ点を取れるかなとは思っていました。疲れも出てきていた時期があったことも含めて、少し彼らしくないボールの失い方があったりしましたが、その時期を一つ越えてきていたので、そういった意味ではゴールを奪うチャンスがそろそろ来るのではないかと思っていました。

フィニッシュの意識という意味ではここ数試合、サイドに流れて起点になってもらっていますが、それでももう一回ゴール前に入っていくことを忘れるなという話をずっと続けてきました。点を取れるポジションというのは、必ずありますし、彼はそれを知っている選手です。ただこれまではそこに入ることがなかなかできていなかったのですが、今日は点を取れる位置にしっかりと入っていくことができていました。

実際にゴールを決めたあとも平戸が最後に決めた3点目は、彼がしっかりとニアに入ってくることで最後に平戸が押し込むことができたと思っています。うまくいかない時は、少しイライラしていたのですが、そのイライラも彼から消えてきていたので、いつかゴールが生まれると思っていました。そういった中で今日、ゴールが生まれたのではないかなと思っています」

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