「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第33節・札幌vs町田/札幌・四方田修平監督、内村圭宏選手、ジュリーニョ選手、町田・相馬直樹監督コメント(3,692文字)

■明治安田生命J2リーグ第33節・9月26日(月)19:00キックオフ
札幌ドーム/11,914人
北海道コンサドーレ札幌 3-2 FC町田ゼルビア
【得点者】札幌/4分 ヘイス、19分 ジュリーニョ、74分 ジュリーニョ 町田/19分 中島裕希、90+4分 中島裕希(PK)

 

■四方田 修平監督(札幌)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「札幌ドームでの試合が、約1カ月ぶりということで、久しぶりに本当にホームに戻ってきたなというような気持ちで試合に臨みました。平日にもかかわらず、数多くのサポーターが声援を送ってくれたので、非常にそれが我々の力になりました。

実際のゲームのほうは、そういったサポーターの力も借りまして、立ち上がりから非常に良い試合の入りをすることができた上に、先制点と追加点を取ることができたと思います。試合内容のほうも、狙いとするカウンターやサイドチェンジからの展開で良い形を数多く作ることができました。

ただ、攻守両面において、町田さんの前へ前へ出てくる力が非常に強く、自分たちのプレッシャーが弱くなったときには、耐えられずに失点をしてしまったと思います。そういった意味では、まだまだ自分たちのチームのレベルを上げていかなければいけないと感じました。

後半に関しても、同じような展開だったと思いますし、できればカウンターからもう少し早く追加点を取れれば良かったのですが、なかなか追加点が決まらず、ただピンチの場面ではギリギリのところで体を張って防いでくれたと思います。良い形で追加点も入りましたし、最後PKを取られはしましたが、この時期は結果がすべてだと思いますので、そういう意味では選手、スタッフ、サポーターが一丸となって、目標とする勝ち点3を取れたことに満足しています」

——ジュリーニョ選手を今季初めて最初から左のウイングバックで起用しましたが、その意図とプレーについてはどう見ましたでしょうか?
「彼の攻撃力を生かすことが狙いでした。これまでも試合の途中に攻撃的に行く際に彼をそのポジションで使うことはありました。守備の部分や攻守のバランスを考えると経験不足はあるのですが、トレーニングで経験を積む中で試合で生かせるかなという段階まで来ましたので、彼を左のウイングバックで使うことにトライをしました。結果として良い効果が出たと思います」

 

■FW 13 内村 圭宏(札幌)
自分がオトリになるような形でほかの選手が抜け出せる形を狙っていた
「(先制点の場面を振り返って)一人で駆け引きせずとも、2列目、3列目の選手が行けそうだったし、良い形で相手のディフェンスラインを止めることができて良かった。町田はラインが高かった。チームとしてあの狙いを何回か出せればもっと面白かった。町田はラインが高い上に止めることも多かったので、僕が行けるぶんにこしたことないけど、あの位置でラインを止めるようだと、動き出せば2列目と3列目の選手やウイングバックの(石井)謙伍とかが2テンポズレたあとに抜け出した形を作れる。ピタっと止まるので、あえてオフサイドにかかるようにして、僕にパスが出てこなくても、ほかの選手が抜け出す形を狙っていたので、それがうまくいって良かった。相手が僕の動きに合わせてくるから、自分がオトリになるような形でほかの選手が抜け出せる形を狙っていた」

 

■MF 11 ジュリーニョ(札幌)
あのポジション取りをしていて良かった
「(左サイドの先発出場で心がけたことは?)左サイドでプレーしたけど、ブラジル時代とは違って、ブラジルは攻撃中心ですが、日本では攻守において仕事をしなければならないので、今週準備した結果、良い結果を残せて良かった。セットプレーでしたが、今週はセットプレーの練習をしてきて、ヘイスがうま競ってそのあとのこぼれ球を決めることができた。あのポジション取りをしていて良かったと思う。2得点目はトク(都倉賢)がドリブルでしかけて、ファウルかなと思っている中で、うまくボールが転がったので、うまくシュートもミートできたと思う。
(これでシーズン前の目標だった10得点に到達しました)数字で表すことができないけど、1試合1試合個人としてもチームとしても成長できればと思う。(ホームでは負けなし。ホームの力をどう感じていますか?)サポーターはチームに必要不可欠な存在です。日常生活の中でも声をかけていただけますし、サポーターの方々のJ1昇格に向けての期待感を感じています」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは今日、平日のナイターにもかかわらず、われわれをサポートするために、遠い東京からたくさんの方々に足を運んでいただきました。敵地で首位の札幌さんを叩いて、次週に臨みたかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでしたが、われわれに最後まで力強さをもたらしていただけたことを感謝したいと思います。

試合を総括しますと、もったいない試合だったなと感じております。ウォーミングアップを含めて、試合の立ち上がりから少し浮ついたというか、雰囲気に呑まれてしまったことが立ち上がりの失点や2失点目まで続いてしまったと感じています。その後、追いかける展開になったあとは、選手たちが攻守両面で自分たちらしく、主導権を握って戦ってくれたと思います。

そういった中で1点差に詰め寄り、いくつかカウンターを受けながらも、それをしのいでいましたが、3点目を取られた時点で苦しくなってしまいました。ただもう1点を取ったことも含めて、選手たちが最後まで前へ出る姿勢を失わずに戦ったくれたことに感謝したいと思います。

試合の立ち上がりや試合の入り方、そして試合までの1週間の準備を含めた、試合への持って行き方など、そういったことに関しては、僕自身の選手たちの送り出し方にも課題が残りました。そしてさらに言えば、今季はここまで、こういう素晴らしい相手と立ち向かうときに発揮できていた、自分たちのチャレンジャーらしさをスタートから出せなかったことは非常に残念ではあります。

ただこういった経験も、われわれとしては今年J2に上がってきて戦っている中での良い経験として、次に同じようなシチュエーションがあったときにはスタートから、われわれがしっかりと地に足をつけて前へ出ていくという形をお見せできるようにしていきたいと思っています」

ーー今日の試合は普段よりも足元でつなぐというか、短いパスをつなぐ展開が特に立ち上がりは多く、それでボールを失い、カウンターをで失点してしまったのかなと思いますが、そこは監督として何か理由があったとお考えでしょうか?
「先ほども申しましたが、選手たちはウォーミングアップからロッカールームに戻ってきたあとも、そして試合の入りを見ても、少しナーバスに見えましたし、その神経質になっていた部分を少しでも取るようにと思って試合に送り出したつもりなのですが、どうしてもボールを失いたくないといった気持ちや少しナーバスになったことで遠くが見えていないといった現象が起きていたのでしょう。

正直、札幌さんはラインが深めということもあって、長いボールを使うことで単純にボールロストをしてしまうということを選手たちは嫌がっていました部分もありましたし、かと言って、相手のラインの間で自信を持ってボールを受ける形を作れていたかと言えば、ある意味、受け手もそこまでの精神状態ではなかったと思います。そういった影響が、試合の立ち上がりに出てしまったのかなと思っています」

ーー75分から谷澤選手に代わって、今季リーグ戦初出場の大竹選手を投入しましたが、彼に期待していた部分と最後のPKにつながったパスを含めて、彼のプレーに関する評価を聞かせてください。
「今季、なかなかリーグ戦に出場するチャンスがない中も、非常にトレーニングを頑張ってくれていましたし、ここ2試合のトレーニングマッチでも、良い働きをしてくれたため、今節はベンチに入ってもらいました。

単純に空中戦で勝負をするよりも、下で地上戦で勝負することを想定している中で、ボールを持ち出すという彼のプレーが生きるチャンスが今日はあるかなと考え、ベンチメンバーに入れた中で、彼のボールを持ち出す技術や、パスを出して動いてというプレーを自然とできる大竹選手を途中から起用することにしました。

実際に欲を言えば、もっとできたとは思いますが、もう少し前のポジションでプレーできれば、実際点につながったシーンのような形をもっと作れたかもしれません。最初は谷澤選手のポジション(左サイドハーフ)で起用したため、もっと前でプレーしてほしかったのですが、徐々に下に降りてきてしまったので、アディショナルタイムには彼の配置(ボランチの位置に)を変えました。

先ほども申し上げましたが、彼が前にボールを持ち出せる技術や、パスを出して動いてというプレーをすることで攻撃に変化を加えられることを期待して途中から起用しました」

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