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【無料記事】北風と太陽……2025-J1第2節・岡山戦(H) マッチレビュー

 

▼2025明治安田生命J1リーグ 第2節

2月22日(土) 14:03キックオフ/ニッパツ三ツ沢球技場(7,274人)

横浜FC 1-0 ファジアーノ岡山(Jリーグ公式サイト

【得点】
57′ 横浜FC/櫻川ソロモン

 

キックオフの2時間くらい前までは晴れていたが、やがて急に空が雲に覆われ、冷たい北風に乗って粉雪までチラついた。キックオフ前には再び晴れ間が戻り、日差しがあれば多少は暖かかったが、それだけ天気が急変するには当然ながら風の影響がある。スタンドで見ているぶんにはそれほど強い風には感じなかったが、ピッチ上では「かなり風が強かった」と、両チームの選手たちは証言した。

岡山のゲームキャプテンを務める田部井涼は、コイントスで攻撃方向の入れ替えを選択した。かつては横浜FCの守護神だったスベンド・ブローダーセンが「この時期は後半、日差しがめっちゃ眩しいから」と、後半は太陽を背にすることを望んだためだ。風はメインスタンドから見て右から左。前半に風上を取って勢いに乗りたいという意図もあったかもしれず、何より昨季J2第36節の対戦では同様に攻撃方向を入れ替えて2-4と大量得点で勝利しており、その成功体験に倣ったのかもしれなかった。

結果的に彼らにとって、風の影響をあまり大きく見なかったことが誤算になった。もしかしたら田部井とブローダーセンがそう決めた段階では、風がそれほど強く吹いていなかったのかもしれない。北風は横浜FCに味方し、太陽はブローダーセンが期待したほどには岡山に微笑まなかった。

 

【選手交代】(横浜FCのみ)
72′ JP→慶治朗
80′ 小倉→ユーリ、新保→準弥
84′ 福森→槙人、ソロモン→伊藤翔

 

 

▼岡山は前半に風上の利を生かせず

昨季J2で27失点(1試合平均0.7)とリーグ最少の横浜FCと、同29失点(1試合平均0.8)でリーグ2位の岡山。ともに堅守をよりどころにJ1昇格を果たしたチームだ。クラブとしてJ1では低予算だけに、なおさら堅く守って相手の隙を突き、セットプレーなど少ないチャンスで得点を挙げて勝つというのが残留を目指す戦い方になる。一昨年の中盤以降の横浜FCがそうしてきたように、いかに先に失点せずに0-0の時間を長くして、後半に相手が焦れてくる、または体力的に落ちてくるところで一瞬の隙を突いて得点できるか。つまり『前半耐えて後半勝負』がセオリーであり、昨季J2でも岡山は全得点の約2/3を後半に挙げている。

試合後に両監督が語ったように、強風の中での試合だったことがゲーム展開に大きく影響した。強風下では追い風を背に受けて戦うほうが有利なのは言うまでもない。風下のチームは勢いをまともに受け、陣地を挽回しようとしても蹴ったボールが風で押し戻されてしまう。つまり『前半耐えて後半勝負』のチームなら前半は風下で戦ったほうがセオリーには適うのだが、岡山は後半に太陽を背にするために逆の選択をした。

これによって岡山は、後半は逆に風で不利な立場となるため、絶対に前半のうちに先制しておきたい状況になる。開幕の京都戦ではセットプレーで先制して前半の2得点で勝負を決めた自信と勢いも、その選択に至った背景にあったのかもしれなかった。

もちろん前半は木山隆之監督が「前からプレッシャーをかけて、我々が相手コートにいる時間も長かった」と語ったように、岡山が優勢に試合を進めた。ルカオは何度もンドカ・ボニフェイスを弾き飛ばして突進し、木村太哉らもゴールに迫った。しかし昨季J2で48得点、得点数では10位だった岡山は、横浜FCの最後の守備を突破してそれをシュートに、さらには決定機にまで持ち込むクオリティに欠けた。前半の岡山のシュートは2本。CKは5本を数えたが、横浜FCが集中した守備ではね返した。

 

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