「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「強烈なシュートをダイビングセーブした時は格好良く見えます。それでGKを志す子どもが増えてくれたら嬉しいけど、GKの魅力は他にもあります」 [杉本大地インタビュー(前編)]

 

【杉本大地選手インタビュー(前編)】
実施日:2月8日(木)
インタビュー・文:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室

 

 

杉本大地の移籍加入1年目はリーグ戦出場ゼロに終わった。2年目の今季はここまで順調な仕上がりを見せており、アンジェ・ポステコグルー監督からも上々の評価を得ているようだ。

小学校低学年から生業にしているGKだが、F・マリノスに加入してから意識が変わった。キャッチングにこだわり、仲間に信頼されるようになり、ポジションを掴み取る。

杉本大地の挑戦が始まった。

 

 

――宮崎キャンプ終盤ですが、コンディションや仕上がりはいかがですか?

「昨シーズン、天皇杯決勝まで進出して1月1日までプレーしていたので長い時間休んだわけではありません。だから新シーズンの立ち上げもスムーズでした。去年のこの時期はケガをしていたので、1年前と比べてもかなり動けています」

 

――練習試合ではGK陣で最も長い時間ピッチに立っています。

「石垣島キャンプと宮崎キャンプで90分ゲームを2試合プレーできたのはポジティブに捉えています。自分の実戦感覚が磨かれることも大きいですが、昨年はあまり一緒にプレーできなかった(中澤)佑二さんと同じピッチに立つことで得られる手ごたえがあります。メンタル的にも状態は良いです」

 

――ただ練習試合のアビスパ福岡戦(2月6日)は0-2という悔しい結果でした。

「結果を出していないGKはピッチに立つことはできません。PKストップや1対1の状況を止めた場面もありましたけど、結果的に2失点しているので評価の対象にはなりにくい。しかも前半と後半の立ち上がりという、与えてはいけない時間帯に2失点してしまった。特に前半を0-1で折り返して気持ちを切り替えている時なのに、後半の立ち上がりに失点するのはメンタルに与えるダメージが大きい。セーブできる可能性のあるシュートだったと思うので、自分が止めなければいけませんでした」

 

 

――GKが信頼を勝ち取るのはとても難しい作業なのでは?

「試合で結果を出さなければ信頼してもらうのは難しい。練習でのパフォーマンスが良くても、試合で結果を出さなければ意味がない。まず試合に出なければいけないですが、出場した時に何ができるかが大事です。その点ではキャンプ中の練習試合の結果に満足していません」

 

――加入1年目の昨季はルヴァンカップや天皇杯で出場機会を得ました。手ごたえを掴んだ部分もあるのでは?

「正直に言うと、僕はリーグ戦とカップ戦は違うと考えています。同じ公式戦なので学ぶことや感じられることはたくさんありますが、カップ戦の場合はリーグ戦から先発を大幅に入れ替えるチームも多いですし、注目度も違う。やっぱりリーグ戦に出場してナンボです」

 

――その中で成長を実感していることもあるのでは?

「キャッチング技術にこだわるようになりました。1年間取り組んできたことでキャッチできる範囲は広がってきている実感があります。それはこれからも追求し続けていきたい」

 

――キャッチの重要性を知った?

「F・マリノスに加入してから知りました。それまでの自分はとにかくゴールを決められなければいいと思っていました。極論を言えば、何本シュートを打たれてもすべて弾いて無失点で終わればいいわけだけど、弾くことで相手の二次攻撃やチャンスが増えるというリスクにつながる。だからどれだけ相手の攻撃を“切る”ことができるか。こんなにもキャッチにこだわるGKコーチに出会ったことがなかったし、同じようにこだわっている大樹くんのようなGKもいませんでした」

 

 

 

 

 

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