「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

不動の中村俊輔[キャンプレポート6日目] 「もっと怖いプレーを増やしていかないと」(端戸)「3年目だから気持ちがまったく違う」(小林)

 

折り返しを過ぎた宮崎キャンプは引き続き温暖な気候の下で行われている。5日目午後はキャンプが始まって以来初めてのオフとなり、選手たちはそれぞれの時間を過ごしたようだ。ホテル近くを散歩する選手がいれば、「部屋でゆっくりしていた」と話す栗原勇蔵のような選手もいた。同じ日の夕飯は選手・スタッフ全員で宮崎市街地へ出かけ、決起集会と題して焼肉に舌鼓を打ったという。こうしてチームは束の間のオフを満喫した。

翌日の6日の午前練習からは富澤清太郎が完全合流。2日目の夜に発熱し、その後は「下痢と嘔吐に苦しめられた」(富澤)と苦い表情で振り返る。不幸中の幸いはインフルエンザではなかったこと。一時は体重が「2~3kg落ちた」というが、いまではそれも回復しているとのこと。また、6日午後からはインフルエンザで宮崎キャンプに参加していなかった熊谷アンドリューが姿を現し、ゲーム形式の練習に参加するなど、さっそくフルメニューをこなした。

一方で体調不良の鈴木椋大は宮崎入りしたもののグラウンドには出られず、4日に行われたアビスパ福岡との練習試合中に左ひざを痛めた田代真一はホテル内の施設で別メニュー調整となった。ここまで持ち前のビルドアップ能力を発揮しきれず、アピール不足は否めなかっただけにポジション争いという観点でも痛い離脱となってしまった。

この日は午前・午後ともに主にオフェンス面でのトレーニングが行われた。午前中はスローインから始まったボールを素早く逆サイドへ展開し、そこからのクロスでゴールを狙う形を繰り返す。午後は「ボールを持っている選手の選択肢が1つではなくて2つ、3つとあるように」と樋口靖洋監督が趣旨を語ったように、前線の選手に効果的な動き出しを求めた。マルキーニョスや藤田祥史が1トップに入り、斜め前方へ流れていくことで背後の中村俊輔や端戸仁に上質なスペースを提供する。ここで3人目の動きを複数作り出してフィニッシュに持ち込むのが理想だ。

こういったトレーニングでさすがの動きを見せるのが中村である。本人は「周りに伝えたり教えたりしながら」と謙虚に話すが、動きの質は一味も二味も違う。紅白戦形式ではあるが、以前のように不必要に下がることはなく、常に前線の危険なエリアでプレーする。相手の最終ライン裏へのランニングも怠らない。そのアグレッシブなプレーには目を見張るものがある。コンディションも良好のようで「この時期としては

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