「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

天野をどの位置で使うか。それが新潟戦の戦術的なポイントになりそうだ [J20節 新潟戦プレビュー]

今週に入り、マリノスはいくつかの不安要素を抱えながら歩を進めた。

まず中澤佑二の状況について。前節の清水エスパルス戦で右足甲を裂傷し、最後は足を引きずりながらピッチを後にした。今週に入ってからは既報のとおり水曜日まで別メニューで過ごし、木曜日から全体練習に合流。試合前日のメニューもしっかり消化しており、試合出場に向けてとりあえず格好は整った。

とはいえ万全の状態とは言い難い。練習では試合に向けてプレーを制限する場面も見られた。中澤のことである、試合になれば負傷のことを忘れて無我夢中でプレーするだろう。そういった中で、もしアクシデントが起きてしまった場合にどうするか。エリク・モンバエルツ監督は「(パク)ジョンスをメンバーに入れることを考えている」とコリアンCBのベンチ入りを示唆した。これによってウーゴ・ヴィエイラかダビド・バブンスキーのいずれかが外国籍選手枠の問題でメンバーから外れる。

次に、水曜日の練習で右ふくらはぎを痛めた天野純の状態が気がかり。中澤が裂傷だったのに対して、こちらは筋肉系の故障の可能性が高い。精密検査こそ行っていないが、本人曰く「初めてけがをした箇所」である。無理に試合に出場して長期離脱を強いられるのは避けなければならない。それでも試合前日の練習はリスタートのキッカーも含めてすべてをこなした。ならば試合に出ないということは考えにくい。

では天野をどの位置で使うか。それがアルビレックス新潟戦の戦術的なポイントになりそうだ。

 

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試合前日は最近の流れを踏襲したトップ下起用と、少し時間軸を巻き戻したボランチの位置の両方でテストされた。「天野)純をどこで使うかがオプションの内容になる」(モンバエルツ監督)。トップ下の場合、ボランチには喜田拓也が入り、天野がボランチを務める場合はトップ下に前田直輝が抜てきされている。

指揮官は「明日いつも以上に焦点を当てるべきことは、自分たちがボールを持っているときのプレー」と話し、ポゼッションで優位に立てる皮算用のようだ。そこで天野をどの位置で起用するのが最も効果的か。ここ最近ずっとハイパフォーマンスだった扇原貴宏を清水戦の失点場面だけを理由に先発から外すのは解せないが、ボランチは天野も含めて選択肢があることも事実。相手や状況によって先発や途中出場を考えられるのだ。

最近2試合はいずれもリードを守りきれず足踏みしてしまった。その結果、順位を7位に落としてしまったが、3位のガンバ大阪との勝ち点差はわずかに『1』。まだまだチャンスがあり、上位陣との対戦まではこれ以上取りこぼせない。最下位に沈む新潟からしっかり勝ち点3をもぎ取り、次節はコンサドーレ札幌をしっかり叩く。これがマリノスの描く青写真だ。

ちなみに、昨日獲得が正式発表されたイッペイ・シノヅカは今日の練習からチームに合流したが、登録の問題で新潟戦には間に合わない。ベンチには前述したパク・ジョンスのほかに古巣戦となる松原健や遠藤渓太などが名を連ねるだろう。交代枠3枚を含めた総力戦で3試合ぶりの勝利を奪いたい。

 

 

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