中町は考えて、悩んだ。決意の残留だった [中町公祐の契約更新について]
始動日以降、中町公祐が一人でいる場面をよく目にする。盟友の小林祐三が昨季限りで契約非更新となり、チームメートである以前に親友で最大の理解者を失った。全体練習が終わると「一緒に帰る人がいないよ」と苦笑いを浮かべ、ちょっぴり寂しそうにロッカールームへ引き上げる。
いま、マリノスには『世代交代』の波が確実に押し寄せている。今年32歳になる中町よりも年長の選手は中澤佑二と栗原勇蔵の二人のみ。あんなにたくさんいた1985年生まれの選手も自分だけとなった。
昨今、30歳を過ぎたベテランは身の振り方が難しい。中町も決して例外ではない。昨季はリーグ戦31試合に出場し、J1では自己最多となる6ゴールをマーク。中盤でのボール奪取能力と競り合いの強さ、そして相手ペナルティエリア内での決定力を武器に存在感を発揮した。数字だけ切り取ればキャリアハイといっても過言ではないだろう。それでも、笑顔ホクホクの契約更改にはならなかった。
中町は選手であると同時に、選手会を代表する立場でもある。そのためピッチ内外の事案について利重孝夫チーム統括本部長をはじめとするクラブスタッフとコミュニケーションを取る機会が多い。選手会案件の伝達事は、クラブから背番号8を経由して選手に伝わる場合もある。身の回りで様々な変化が起きた2016年はピッチ外でも多忙を極めた。博識で聡明な中町はクラブとともに問題解決・改善に向けて尽力していた。しかし、ピッチ外の貢献度が査定に含まれるかというと、そうでもないのが現実だ。
リーグ戦が終わった11月上旬以降、多くの選手の去就にクラブが揺れた。そんな折、中町にもJ1・FC東京から正式オファーが舞い込んだ。チームを率いているのはアビスパ福岡所属時代の恩師である篠田善之監督である。
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