「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「みんなが準決勝の舞台連れてきてくれた」(狩野)「PKがあったら自分が蹴る」(小野)+他10選手 天皇杯準決勝直前インタビュー

【MF 25 中村 俊輔 voice of players(柏戦に向けて)】

120分ゲームになりそうだよね(苦笑)

――レイソルは出場停止が3人いるが

「レアンドロがいないのは大きいよね。それと左SBと中盤の選手と。でもウチは出場停止がいないかわりに警告を受けたら出場停止になる選手が自分含めて7人いる。そういうことだと思う」

――警告に注意しながらのプレーになる?

「うーん、でも勝たなければ意味がないから。少し遅れて相手にぶつかってしまったりするのはしょうがない。でも異議とか遅延行為とか、喜んでユニフォームを脱いでしまうようなことはダメ。まぁ、誰か出られなくてもウチには比嘉さんとかいるから大丈夫だけど(笑)」

――警告以外に気をつけるポイントは?

「柏とのリーグ戦は2試合ともセットプレーから先制されている。あれでリズムが狂ってしまった。だから今回は逆に自分たちがセットプレーから先制できれば大きい。先制すれば負けないけど、追いかける展開はやっぱり厳しいから」

――どんな展開になりそう?

「120分ゲームになりそうだよね(苦笑)。どちらも負けないサッカーをして、なんとなく時間だけ経過していくような。でもそういう展開になっても焦れずに、粘り強く戦いたい」

 

【MF 14 狩野 健太 voice of players(柏戦に向けて)】

みんなが準決勝の舞台に連れてきてくれた

――ここもスタメン濃厚だが

「わからないよ(笑)。マルキも(齋藤)学も帰ってきたから。もしスタメンだとしても、ベンチも豪華だから後のことは考えなくてすむ。最初からフルスロットルでプレーするだけ」

――勝ち進むことで感慨深さもあるのでは?

「それはありますね。日を追うごとに、『もうすぐ終わってしまう』という気持ちが強くなって、寂しくなってくる。浦和戦前よりも名古屋戦前、名古屋戦まえよりも柏戦前という感じで」

――名古屋戦のPK戦はしびれた?

「かなりね(笑)。(小野)裕二は外したけど(笑)、ほかはみんながPKをしっかり決めて、最後に同期の(飯倉)大樹が止めてくれた。みんなが準決勝の舞台連れてきてくれた」

――勝って元日・決勝の舞台に立って終わりたいね

「このチームで練習できる時間を長くして、試合できる時間を増やしたい。最大でもあと2試合だけど、その中で自分にできることをやる。できればもう一発決めたい」

 

【明日の試合に向けて】

樋口 靖洋 監督

「(齋藤について)先週よりも状態は良くなってきている。完全に上向きの状態。今週はフリーマンではなくて普通にやれているし、少なくとも痛みは出ていない。それに『体がキレているし、不安もない』と彼自身も言っている。あとはリアクションになったときにどれだけできるかどうかだけど、ここまで見る限りはそれも大丈夫だと思う。違うタイプの切り札として、特に間延びした展開では生きると思う。

(柏について)難しい相手であることは間違いない。(レアンドロ・)ドミンゲスにはどの試合でも痛い目に遭っているので大きな存在だが、大宮戦を見るとドミンゲスがいないなりの戦い方をしている印象がある。サイドへの展開が早くて、そこからのクロスが多い。シンプルにやってくる。それに柏の選手たちにはドミンゲスがいなくても去年のチャンピオンというスピリットがある。それとネルシーニョさんは選手交代などでチームの雰囲気をガラッと変えることができる。それはいつもすごいなと勉強させてもらっている。

(小野にPKを蹴らせるのか?)本人には『乗り越えなければいけない壁だよね』と話した。蹴りたいと言うのなら蹴らせるし、蹴ってほしい。蹴りたくないのなら蹴らせない。次は決めなければいけないという気持ちにはなっていると思う。ゲーム中のPKに関しては何人かキッカーがいるし、その試合のフィーリングもある」

FW 10 小野 裕二

「次もPKがあったら自分が蹴るつもり。次は決める。自分自身の体はすごく動いている。名古屋のCBは強かったけど、自分の成長を感じられる部分もあった。1年前に準決勝で負けたことは過去のこと。あのときはチームも自分もまったく違う。今年はいける気がしている。レアンドロ・ドミンゲスがいないのは残念。あの人はうまいので一緒にサッカーをするのが楽しいから。それに勝つなら相手がベストの布陣のほういい。でも、ここまでくれば相手のことはあまり関係ないと思うので、どういう形でもいいから勝って決勝に進みたい」

DF 13 小林 祐三

「名古屋戦は前半は相手に主導権を握られたけど、そこから自分たちのペースに持っていくことができた。ペースを握り返すことができるようになった。それがチームとしての成長。(古巣との対戦について)いい機会。この前のリーグ戦のときは出られなかったので、1年間頑張ってきたご褒美かな(笑)。去年ほど意識しないけど、自分にとっては7年間いた特別なチーム。選手の入れ替わりがあっても、特別であることに変わりはない」

MF 7 兵藤 慎剛

「レアンドロ・ドミンゲスがいないのは素直に大きい。これまでの対戦ではいつも目に見える形でやられている。だからといって油断は禁物。それは自分たちが一番わかっていること。去年は準決勝でJ2の京都に負けた。油断していたつもりはないけど、それを教訓にしなければいけない。ここで負けたら何の意味もない。ここまできたら決勝まで行ってタイトルを獲りたい。そのためにはここを勝たなければいけない。あとは誰がゴールを決めるか。自分か(狩野)健太か(小野)裕二の誰かが決めれば勝てる」

FW 11 齋藤 学

「ひざの痛みが完全に消えたわけではない。でもプレーに集中しているときはまったく気にならないし、怖さも消えた。浦和戦が無理と決まって、自分は名古屋戦に出るつもりだったけど、まだ出られる状況ではなかった。でも今週は練習をフルメニューでこなせたし、もう大丈夫。仲間を信じて、勝ち上がってくれると信じてリハビリしていた。今度は自分のプレーで仲間を助けたいし、サポーターを元日の国立に連れていきたい」

DF 22 中澤 佑二

「柏には今年勝っていないので勝ちたい。(レアンドロ・)ドミンゲスがいないわけだから。ドミンゲスがいないのに勝てなかったら来年も勝てるわけがない。(PKは小野が蹴る?)蹴るんじゃないですか?(笑)。蹴りたいヤツが蹴ればいい。公式戦のプレッシャーのかかる舞台でそういう経験ができるのは彼にとってもプラス。エースだから(笑)。勝って元日の“狩野杯”決勝に進みたい。優勝して(狩野)健太を胴上げしたい」

FW 18 マルキーニョス

「前回の名古屋戦のときよりも状態は今のほうがいい。決勝に進んで優勝することが目標。決勝で鹿島と対戦できたら面白い。伝統ある勝ち慣れたクラブと戦えば自分たちにとってもいい経験になる。もしスタメンで入って早々に交代するようなことになるよりも、監督としても交代のオプションがほしいと思う。もちろん自分としてはいつでも出られるように準備しているけど、最終的には監督が決めること」

DF 4 栗原 勇蔵

「ここまできたら単純に優勝したい。相手はレアンドロがいないけど、やっぱりそれは大きい。いつもレアンドロにやられているのでプラス要素。これは油断ではなく、結果がそう示している。前回は延長戦もあって体力的にキツかったけど、最後はメンタル勝負になる。柏も勝ちたい気持ちは強いはずだけど、ここまできたら負けられない」

DF 27 富澤 清太郎

「警告だけ気を付けないといけない。今シーズンは警告と出場停止で苦しんだから。どうしてもガッツリ行ってしまう。勝ちたい病かな(苦笑)。でもここまできてチームに迷惑はかけられないし、自分の中では決勝に進んで優勝するイメージがある。だからこそ警告を受けるわけにはいかない。自分が前へ出ていきすぎるとバランスが崩れるので、うまくマチ(中町)を動かしていきたい」

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