1トップはカイケか。失いかけた信頼を取り戻すゴールという結果を残せ [1st10節名古屋戦プレビュー]
試合終了と同時にブーイングに包まれたホームでの湘南ベルマーレ戦から中3日で名古屋グランパス戦を迎える。チームは現在2連敗中と苦しい状況に立たされている。6試合負けなし(4勝2分)で最高4位まで上がった順位は8位に落ちた。順位表の上も下も勝ち点差の少ない状態とはいえ、このままずるずる転落するのはもったいない。2連敗したことで1stステージの優勝争いから後退しただけに、ここが本当の意味での踏ん張りどころだ。
黒星が続いたことで先発メンバーにも若干の変更があるかに思われたが、それは最小限にとどまった。まず累積警告で出場停止だったファビオがCBの位置に戻ってくる。湘南戦での新井一耀のパフォーマンスが悪かったわけではないが、ファビオを超えるプレー内容ではなかったことも事実。何よりも黒星という結果をうけてレギュラー交代などありえない。
そして、もう一つ。1トップは富樫敬真からカイケに戻りそうだ。試合前日のトレーニングではカイケがレギュラー組の最前線に入ってプレーし、名古屋戦での先発が濃厚となった。湘南戦では途中出場し、PKという絶好のチャンスを失敗してしまった。失いかけた信頼を取り戻すには、試合でゴールという結果を残すしかない。月曜日には居残りでシュート練習を行ったように気合い十分だ。
焦点であるPKの人選について、前日練習終了後の時点で結論は出ていない。ただしモンバエルツ監督は「決めることはしないが(中村)俊輔と話したいと思う」とコメントした。指揮官はこれまでキッカーを指名してこなかったが、前節の事態を受けて方針が変わる可能性は少なからずある。もちろん選手たちの自主性と協調性に結論を委ねる可能性もあるが、監督という立場で最低限の交通整理はすべきだろう。
毎試合必ずPKがあるわけではない。しかしながら2試合連続でPKを獲得した。3試合連続になっても不思議ではなく『備えあれば憂いなし』ということわざもある。いざPKを獲得したときにピッチ上で考えが割れないように準備しなければいけない。誰しも失敗する可能性があり、それは中村俊輔や齋藤学が蹴っても同じこと。だからこそ万が一に備えておくべきなのだ。
名古屋戦では勝利はもちろんのこと、広島戦と湘南戦で喫した2連敗を払拭するようなゲームを期待したい。だとすれば、そのときはチームの攻撃をけん引する不動の大黒柱や日本代表アタッカー、あるいは得点源となるべきゴールゲッターの仕事が欠かせない。彼らのパフォーマンスはそのまま試合結果に直結するといっても過言ではない。