「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

浦和のオフェンス力が足りなかったのではなく、マリノスがしっかり耐えた [1st6節浦和戦レビュー]

 

連勝が『3』でストップしたことは残念である。しかし、負けなかったこともしっかり記しておきたいゲームであった。

言い訳ではなく理由として、齋藤学の欠場は大きな痛手だった。攻撃では高い位置で決定的な仕事ができるだけでなく、中盤で守備から攻撃のスイッチを入れることができる稀有な存在だ。守備での貢献度の高さはいまさら述べるまでもないだろう。攻守に置いて背番号11はチームの中心になりつつある。

 代わりにピッチに立った遠藤渓太の奮闘は光っていた。彼はまだ18歳のルーキーである。中村俊輔は「よくやっている。いろいろ求め過ぎたらいけない」と繰り返す。プロである以上、常に結果を求められるのは遠藤自身も理解している。ただ、いきなり齋藤と同じ仕事ができるはずもない。日本代表とユース出身ルーキーには、それくらいの差がある。当然の話だ。

もっとも浦和レッズ戦に関しては、守備の理解度が不足していたことのほうが大きな問題だった。それは遠藤に限らず、カイケとマルティノスも同様である。前線の3枚が浦和やサンフレッチェ広島のような可変式システムと未遭遇だったのは、マリノスが持っている守備のオートマティズムを崩壊させる一因となった。どこかで追い出すのか、あるいはどこまで戻らなければならないのか。後ろの選手がコーチングしてからでは、時にすでに遅しなのだ。

失点を回避できたのは、GK飯倉大樹をはじめとする守備陣の粘りに尽きる。シュート15本を打たれたのは、奇しくも先日のナビスコカップ・川崎フロンターレ戦と同じ。その試合は普段リーグ戦に出場していない選手たちが懸命に戦った。そして、浦和戦ではレギュラー陣が必死にゴールを守った。両試合ともにマリノスが持っている守備のマインドが見事に発揮された。

 

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 これでリーグ戦では開幕から6試合目にして、初となる無失点ゲームを達成。試合後、多くの選手が口をそろえたように浦和戦が最もピンチの多い試合であった。それなのにクリーンシートで終わるのだから、サッカーというスポーツはわからない。浦和のオフェンス力が足りなかったのではなく、マリノスがしっかり耐えた。その末の勝ち点1だ。

長いシーズンの中で、この日のようなゲームは必ずある。逆にたくさんチャンスがあってもゴールネットが揺れない試合もある。勝ち続けることを望みつつも、負けないことの重要性は確かに存在する。そんな90分間だった。

 

 

 

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