「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「こんなに贅沢な環境でサッカーをやったことはいままでない」・・・富樫敬真、シンデレラボーイへの道 [今季のキーマンvol.5]

 

開幕までに今季のキーマンを紹介していく不定期連載。第5回は大卒ルーキー富樫敬真の登場だ。昨シーズン終盤、特別指定選手として彗星のごとく現れ、FC東京戦ではインパクト大の決勝ゴールで一躍有名陣に。正真正銘のプロ選手として迎えた今年は、たった一つしかないストライカーの座を争っている。開幕が約3週間後に迫った宮崎キャンプ中のある日、富樫は目を輝かせて話した。

 


宮崎ブーゲンビリア空港からバスに乗り込み、ほどなくすると海際に高層タワーが見えてくる。周りには真っ青な海と森林が生い茂っており、少し異質にも映る。その建物こそがフェニックス・シーガイアリゾート内にあるシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートである。

バスが到着し、ホテルのフロントに足を踏み入れる。富樫敬真は驚きを隠せなかった。

「自分が過去に経験していた宿舎とまったく違う環境で、最初はちょっと戸惑いました。ホテルに入った瞬間、ビビりました。思わずインターネットで宿泊料金を調べましたから(苦笑)」

 すると予想通り「ちょっと自腹では泊まれないな」(富樫)という料金設定だった。部屋からは日向灘が一望でき、逆側には宮崎市街地も見える。高校や大学時代に合宿で使用していた宿舎とは次元が違う。自らが置かれている環境の変化を理解し、正真正銘プロの一員になったことを実感した。

「こんなに贅沢な環境でサッカーをやったことはいままでない。ホテルの部屋は綺麗で、食事がおいしくて、さらに温泉までついている。もう何も言うことはありません。サッカーだけに集中できるのは本当に幸せなことです」

 シンデレラボーイへの道は、あの“一撃”から始まった。

 

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