「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

湘南のランニングサッカーと全力でプレーする奈良輪のスタイルはおそらく合致する [奈良輪雄太、湘南ベルマーレ移籍] 藤井雅彦

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23日、横浜F・マリノスはDF奈良輪雄太(28)が湘南ベルマーレに完全移籍することを発表した。奈良輪はジュニアユース、ユースとマリノスの育成組織に所属し、その後は筑波大学に進学。大学卒業後はJFLのSAGAWA SHIGA FCに加入して新人王やベストイレブンに選ばれる活躍を見せた。しかし2012年の終わりに所属クラブの活動休止という事実をうけてマリノスの練習に参加すると、そこでのプレーが認められて念願のプロ契約を勝ち取る。2013年に加入してからは主に左右SBのバックアッパーとして貴重な役割を果たし、3シーズンでリーグ戦28試合に出場した。

Jリーグデビューを果たした加入1年目は、右SB小林祐三や左SBドゥトラが負傷や出場停止で不在の際にしっかりと穴を埋めた。特に輝いたシーンは、優勝争いのライバルだったサンフレッチェ広島の右の槍・ミキッチを完璧にシャットアウトした場面であろう。ここぞという場面での集中力の高さと勝負強さは目を見張るものがあり、本人がいつも繰り返す「今日も緊張した」という言葉が嘘のように冷静かつ大胆なプレーを見せる。それこそが奈良輪雄太の真骨頂であった。

加入2年目の2014年はドゥトラの引退にともない、チームに下平匠が加入した。右サイドには変わらず小林がおり、奈良輪は彼ら二人と激しいポジション争いを演じる。その結果、1年目よりも出場機会を増やして着実に自信をつけた。だが、今季は下平が34試合フルタイム出場を達成し、右の小林もほぼフル稼働。奈良輪は開幕戦の川崎フロンターレ戦にサイドMFとして先発した1試合のみで、その後は負傷による離脱もあってリーグ戦の出場機会がなかった。

奈良輪は今季が複数年契約の最終年で、マリノスとの契約が切れるタイミングだった。クラブは来季も必要戦力として契約延長のオファーを提示していたが、一度目の契約更改交渉後に奈良輪はこんなことを言っていた。

 

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