「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「横浜を離れるのは寂しい」 ・・・中村俊輔をして「仁は天才だから」と言わしめた男の旅立ち [端戸仁の契約非更新] 藤井雅彦

25日、マリノスは今季で契約満了となるFW端戸仁(25)と来季の契約を更新しないと発表した。育成組織出身でジュニアユースからマリノスに所属している端戸は2009年にユースからトップチームに昇格。2年目の2010年にプロ初ゴールを決めるなど、ここまでJ1通算34試合2得点という記録を残している。2012年にはJ2のギラヴァンンツ北九州に期限付き移籍し、39試合に出場して14得点を挙げた。今季はリーグ戦3試合、天皇杯2試合に出場していた。

予期せぬアクシデントが端戸を襲ったのは、今年2月の宮崎キャンプ終盤でのこと。ゲーム形式の練習中、グラウンドに足を取られて倒れこむと、自力では起き上がれず、スタッフの肩を借りることに。その後、右ひざ半月板部分切除の手術を受け、全治2ヵ月と診断が下された。これまで大きな負傷を経験したことのない男にとって、初めての長期離脱となった。

1月の沖縄キャンプ、そして負傷した宮崎キャンプ途中まで、端戸の立ち位置は難しいものであった。早い段階からシステムを[4-2-3-1]に固定する中で、FWの席はたった一つしかない。エリク・モンバエルツ監督は、昨季までの実績を評価して伊藤翔をその位置に据えた。ポジションを争う矢島卓郎やラフィーニャは負傷していたことも理由の一つだった。その後、伊藤翔も離脱したため、端戸にとっては起死回生のチャンスが巡ってきたが、その本人も無念の長期離脱となってしまった。

プレシーズンのポジション争いに参加できず、リーグ戦開幕に間に合わなかった。そしてシーズン序盤のナビスコカップ予選リーグに出場できなかったこともマイナスに働く。今季はナビスコカップの予選リーグを普段、出場機会に恵まれない選手のプレー時間確保に充てていた。だがメンバー表に端戸の名前はなく、復帰した頃にはナビスコカップ敗退が決まっていた。

その頃、こんな言葉を残している。

「いまはいいプレーをするフィーリングがなかなか湧かない。試合に出ていない時間が長過ぎるから。けがで5ヵ月も離脱していて、それは人生で初めてのこと。練習ではレギュラー組と控え組が週の前半から分かれるので、モチベーションを保つことが難しかった。その中でも這い上がらなければいけない立場だけど…」

 

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