「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「負けたら戦犯だなと思っていた。でも決めて勝ったから最低限良かったかなと思う。ヒーローではない。ヒーローは拓真くん」(植中朝日)他 [長崎戦後コメント] -無料記事-

 

[コメント]

ジョン ハッチンソン 監督

「長崎が自分たちを難しい状況にしてくれた。2回のリードと2つのゴールは、試合前に失点するとしたら相手に素晴らしいゴール以外させるなと言っていたが、実際に素晴らしいゴールだった。2-1の局面になり、悔しい気持ちがあった。防げなかったのか、という気持ちもあった。でも全体的にはスタートからボールを保持してやれたし、チャンスもたくさん作れたと思う。土曜日の試合からメンバーを変更して、こうやって誰が出ても良い状態でやれているのは選手を誇りに思う。暑い中でも日々の練習に打ち込んでいて、出場するに値する選手たちだった。このクラブに関わる全員を誇りに思うし、今日ここに来られずテレビの向こう側の方にも勝利を届けられて良かった」

 

 

 

 

――小池龍太を先発起用した経緯と、彼が苦しんでいた時間を監督としてどのように見ていた?

「小池龍太はマリノスのサッカーを理解して、常日頃からそれを見せようという姿勢でやってくれている。ロッカールームでも彼はみんなを励まし、声をかけている姿を見てきた。45分プレーしてハーフタイムに交代というのは最初からプランとしてあった。状況の中でもっと出せる状況なら出しても良かったが、最初から45分と考えていた。苦しい日々だったと思うが、腐らず必死になって、帰ってくるという強い気持ちを持っていた。彼が戻ってプレーする姿を見られて本当に嬉しいし、45分間素晴らしいプレーを見せてくれた。これからもっと長く彼のプレーを見られると思うし、これからが彼にとって勝負だと思うので、引き続き見ていきたい」

 

 

 

 

――オープンな展開になるまで得点を決められなかったのは技術的な問題か? 戦術的な問題か?

「日頃から選手に伝えているのは、打つのであれば枠を捉えるということ。相手のGKにも素晴らしいセーブ、仕事があった。ゴールするためにはチャンスを作らないといけない。チャンスを作れなかったら問題だが、今日はしっかりとたくさんのチャンスを作り、それはゴールにつながる部分。枠を捉える部分もたくさんあった。練習の中でもっとチャンスを決められるかやっていきたいし、今日スタートで植中が出ていたと思うが、彼にはたくさんのチャンスがあった。最後に彼が決めて決勝点で、しっかり仕事をしてくれた。もちろん前半にもチャンスがあったし、後半にもあった。ここで満足しないように伝えていきたい」

 

 

 

DF 13 小池 龍太

「やっと戻ってこれたというか、一度離脱するところから、精神的にもかなり苦しい時期はあった。本当にいろいろな人のサポートがあって戻ってこられた。本当に嬉しいけど、自分だけでなくサポーターや監督、メディカル陣が喜んでくれるのが嬉しくて、それがすべてかなと思う。

 

 

 

基本は平常心でプレーしていた。自分が今までやってきたことを見せられるわけではないけど、90分なり45分の中でどう表現するか。それが今までやってくれた人への感謝になる。自分がプレーして評価されたり、喜んでもらうことに対して、自分なりに全力でできたかなと思う。ピッチに入った以上は何ができないとか、そういう言い訳はない。たとえこの45分でまた離脱することになったとしても、自分を送り出した監督からの信頼を自分自身で失うわけにはいかない。そこは常に全力でやっているし、見せられたと思う。準備の大切さをみんなが感じてくれたら今日は合格なんじゃないかなと思う。

 

 

 

 

(水沼宏太と一緒にプレーして)どんな時も常に気に掛けてくれたし、宏太くんに楽しくサッカーをしてもらう、前の選手に楽しくプレーしてもらう、そこに自分はやりがいを感じるところ。自分自身が45分楽しかったので、それがすべてだと思う。個人的にトップコンディションになっているかといったらそうではないし、現状の中でのパフォーマンスの高いところを見せられたと思うけど、自分がやりたいこと、やらないといけないこと、できることというのは、もっと増えていく。今までの自分を見てもらうと、足りないことのほうが多いのかなと思う。そこを取り戻せた時に、このチームにプラスとなって、怖さとなって、強さに変わるのかなと。自分の立場が競争を引っ張れるものではないのは分かっているけど、下から押し上げるという意味でいろいろな選手に良い刺激になればいいかなと思う」

 

 

 

FW 14 植中 朝日

「負けたら戦犯だなと思っていた。でも決めて勝ったから最低限良かったかなと思う。

 

 

 

普通に終わらせられたらもっと良かったから、ヒーローではない。ヒーローは拓真くん。力みはあった。絶対に負けたくないというプライドがあって、意識しないほうが難しかった。最後は抜け出した瞬間に決まるなと思ったので、自信を持ってシュートを打った。天皇杯では点を取っているけど、リーグでももっと取らないといけない。長崎のサポーターに成長した姿を少しは見せられたのかなと思う」

 

 

 

MF 8 喜田 拓也

「僕が入る時にみんな少し気落ちしている感じだったので、もう一度火をつけて絶対に大丈夫だというふうに息を吹き返したかった。結果につながったのはみんなの姿勢だと思うし、その大事さは感じたと思う。我慢もそうだし、勢いを出せたこうなるというのは、一つの成功体験を得られた。そこはポジティブに捉えていいと思うし、何よりもカップ戦で次のステージに進むことを共有して試合に入ったので、それは良かった。

 

ゲーム中にも(天野)純くんが「お前が入って流れが変わった」と言ってくれて、そこはちょっと考えながらやった。サイドバックとウイングの連係を出したいと思っていて、純くんの良さも分かっているし、何をしたいかも分かっている。そういう仕事に専念させればいけるというのは肌感であった。そういうジャブは効いたかなと思う。

 

 

 

 

(小池龍太の復帰について)もう簡単に言葉にできない。彼の毎日の姿を見ていると本当に感じるものがあるし、彼はリーダーのひとりとして自分がどんな状況でもチームを助けてくれて、チームのための行動ができる。それは誰しもできることではないし、そういう彼の心の強さや体の強さ、意志の強さはチームにとってかけがえのないもの。それをピッチで見せられる状態になったのは喜びでしかない。すべてが解決ではないし、付き合っていかなければいけないものもあるだろうけど、サポートできることはする。彼のモチベーションにつながるような振る舞いができれば、彼自身は絶対にやってくれる。また大きな存在が帰ってきた、心強い存在が帰ってきた」

 

 

 

 

FW 18 水沼 宏太

「素直に前半めちゃくちゃ楽しかった。押し込んでいる中で点を取れていればチームはもっとラクにできたけど、違う展開になったと思う。でもボールを握って、いろいろな動きと崩し方があって、いろいろな攻撃ができた。自分たちの良さ、出ていた選手の良さが出ていたと思う。

 

 

 

 

(小池龍太の復帰について)僕自身に思うところもあったし、久々に帰ってきたので勝たせてあげたい、一緒に勝ちたいという気持ちがあった。そういう意味でお互いいつも通りやろうぜ、楽しもうぜという気持ちで臨んだ。特に何も言わなくてもあいつは自分に合わせてくれるところもあるし、僕もリュウ(小池龍太)の良さを生かせる部分があったと思う。後ろにいてくれて安心感があったし、感謝しています。帰ってきたのは間違いなく大きい。2022年から全力でやれていなくて、あそこで止まっている部分もあるかもしれないけど、またここから一歩を踏み出せたという意味で、マリノスにとってすごく大きなこと。これからの連戦でも力になってくれると思う。一緒に出られる機会が増えればいいと思うし、他の選手と違うところで勝負したい気持ちもある。今のやり方だけだと倒せる相手も限られてくるというか、対策されて難しくなる部分もあると思うので、また違った色を出せるように今日から頑張っていきたい」

 

 

 

 

FW 9 西村 拓真

「勝てて良かった。勝つことが一番なので。そこに対して自分にできることをできた。(植中)朝日とも良い連係ができた。負けていい試合はひとつもないし、負けたら終わり。内容というよりも価値が一番大事。そこを達成できたことがすべてだと思う」

 

 

 

DF 15 上島 拓巳

「前半は自分たちのゲームができて、決定機も作れていた。でも後半になって2回のシュートで2回決められてしまうというのは、ゴール前での強さがまだまだ。もったいなかったと思うし、改善しなければいけない。でもチームとしてそこから逆転できたのは自分たちの流れの良さを象徴しているし、自信を持っていいと思う。

 

 

(ジャンとのコンビについて)彼のプレーを長く見るのは初めてで、隣でやっていて攻撃に特徴のある選手だと思う。ビルドアップでボールを運べたり、縦パスにも特徴がある。でも守備のところは連係を深めていかないといけないけど、加藤聖の裏をカバーするスピードは彼の特徴だと思う」

 

 

 

MF 35 榊原 彗悟

「シュートシーンが4本くらいあった中で、自分が決めていればもっとラクな展開になっていたと思うので反省。あそこに入っていけているのは良いこと。最後を仕留めるところは練習からもっとやっていかないといけない。高い位置でボールを支配することはチームとして狙っていた。

 

 

 

自分たちがボールを持てば相手もきつくなる。自分と(山根)陸が中心になれたらと思っていて、いいコントロールはできていたけど、簡単なミスと最後仕留めるところの精度はまだまだ。そこは反省点になる」

 

 

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