「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

リーグ戦は16試合も残っている。 何かを失ったわけではない。 嵐の時は帆をたたむべきだ [J22節G大阪戦レビュー]

 

流れの悪さは否めないが……

 

この試合だけの文脈で言えば、立ち上がりの3分29秒に失点したのは痛かった。ポープ・ウィリアムの負傷によってゴールマウスを託された飯倉大樹はGKとして、そしてチーム最年長選手として反省の弁を並べる。

「4点目もそうだし、立ち上がり3分の失点もそう。誰かがではなく、全員がチームのためにアラートにならなければいけない。その雰囲気は最年長選手でベテランの自分が出していかないといけないから、開始3分で失点したのはオレの入りが悪かった」

 

 

 

 

責任を一手に引き受けようとする姿勢は男らしく、誇らしい。ただ、あれだけ好セーブを連発しても失点してチームが負けてしまえば賞賛されないのだから、GKという職業は難しい。

この3分29秒だけでも視聴し直してほしい。チーム全体として小さなミスはいくつか散見されたものの、大きな落ち度はなかったように思う。レフェリーのジャッジに苦言を呈す意味ではなく、少しだけ運がなかった。あとは相手のシュートが上手かった。それだけだ。

 

 

 

 

12分に渡辺皓太の折り返しから宮市亮が右足で狙った。少しバウンドしたボールをしっかりと合わせた格好だったが左ポストに弾かれた。42分にはアンデルソン・ロペスが強引な突破で相手を引き連れ、植中朝日の粘りから再び宮市へ。しかしシュートは無情にもバーを直撃した。

 

 

 

 

「自分が決めるか決めないかで流れが変わった。本当に今日の負けはオレの責任と言ってもいいくらいだと思う。1回目のポストは難しかったけど、2回目のバーは絶対に決められたと思う」と背番号23は唇を噛んだ。

 その数分後の、あろうことか前半アディショナルタイムに追加点を許してしまうのだから、流れの悪さは否めない。裏返すとガンバ大阪の好調ぶりが際立っていたゲームとも言える。上位争いしているチームの流れは総じてそんなものである。

平常心を保つのは難しいかもしれないが、嵐の時は帆をたたむべきだ。下手に動けば、傷口はさらに広がりかねない。ただでさえ連戦で時間がないのだから、一般論としては考えれば荒療治や劇薬を投ずるタイミングではない。リスクとリターンのバランスが見合っていないアクションは控えたほうが無難だ。

 

 

本当にどん底なのか?

 

 

 

今季最多4失点とか、16年ぶりのリーグ戦4連敗とか、ワードの響きとしてはたしかに重苦しい。そんなネガティブなデータを知っていたとは思えないが、喜田拓也は試合後のゴール裏前で一定の時間を設けてから頭を下げた。

 

 

 

アウェイスタジアムにはマリノスのチャントが鳴りやまなかった。

 

ヨコエク

(残り 815文字/全文: 2045文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ