「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ACL決勝のキーマンには、まず植中朝日選手の名前を挙げたい。準決勝2ndレグと決勝1stレグで連続得点。波に乗っている存在は貴重 [下平匠の「匠の視点」]

匠の視点vol.28

構成:藤井 雅彦

 

 

OBの下平匠氏が横浜F・マリノスについて語り尽くす『匠の視点』。

1stレグを2-1で制し、本当の意味で王手をかけた状態で臨む運命の2ndレグ。

下平氏がキーマンとして名前を挙げたのは植中朝日と山根陸のふたりだった。

世界進出のきっかけにもなる大舞台で、新進気鋭の若手たちがどんなプレーを見せてくれるのか。

ファイナルのファイナルが、いよいよ始まろうとしている。

 

 

ここまで来たら正直言ってリーグ戦とACLは別物

 

ヨコエク読者のみなさん、こんにちは。南葛SC所属の下平匠です。

ついにACL決勝2ndレグが数日後に迫ってきましたね。毎年のようにタイトルを争えるのは当たり前じゃない。それを自然にできつつあるのは本当にすごいことで、素晴らしい。マリノスの価値が年を追うごとに高まっていると感じます。

タイトルを懸けた、まさしく大一番。サポーターの方々もたくさん現地へ行くのかな。SNSを眺めていると、みなさん楽しそうで本当にうらやましいです。僕は残念ながら日本に残ってDAZN視聴ですが、日付が変わってすぐのキックオフなので今から徐々に時差調整して万全のコンディションで臨みます!!

1stレグを2-1で勝利して優位性を保って戦える2ndレグ。1stレグは僕もスタジアムで戦いを見守らせてもらいましたが、アルアインのディフェンスラインの選手は大きくて、速かった。想像よりもだいぶスピードがあって、例えば屈強なアンデルソン・ロペス選手が抜け出しそうなところで相手に追いつかれてしまう場面もありました。そこで足が伸びてくるのか!? という驚きはJリーグにはない感覚でしょう。

 

 

 

ただ、守備のやり方がものすごく組織的で整備されているわけではありません。特にマリノスのワイドの選手に対してはマンツーマン気味で対応するシーンも多かったので、それを逆手に取るようなコンビネーションプレーが攻略の糸口になると思います。エウベル選手やヤン・マテウス選手は個人でも突破できる選手ですが、良い形でサポートして分厚い攻撃を仕掛けることが大事になります。

 

 

 

 

チーム状態で気になるのは怪我人が多くなっているところ。1stレグで負傷したエドゥアルド選手と畠中槙之輔選手はその後のリーグ戦に出場していないですし、FC東京戦で頭部に強い衝撃を受けた渡邊泰基選手も出場は難しいかもしれない。浦和戦で足首を痛めていたアマジュンの状態も気になります。

 

 

 

 

守備陣の怪我の多さが理由なのか、最近のリーグ戦では先制点を守り切れていない試合が多くて、モヤモヤしてしまう気持ちは僕も同じです。マリノスがこんなにリードを守り切れない姿はあまり記憶にないですし、アンジェが監督になった2018年とは違う理由で失点が増えている気もします。

でも、ここまで来たら正直言ってリーグ戦とACLは別物。もちろんリーグ戦でズルズルと停滞してしまうのは不本意だけど、今週はそれを一度忘れてファイナルに集中することが大切です。

 

 

世界に横浜F・マリノスの名前を轟かせる大チャンス

 

アルアインがホームに戻ってどんな姿に変わるのか。こればかりはちょっと想像できませんが、彼らにとってアウェイの地である横浜で対戦した時よりもアグレッシブな姿勢で臨んでくるのは間違いないでしょう。マリノスとしては試合の入りで絶対に受けて立ってはいけません。

 

 

 

 

ACLでは一発勝負特有の緊張感や難しさがありつつも、Jリーグの時のように戦術や戦略の部分で丸裸にされていない戦いやすさもあります。それは相手を研究しきれない部分があるという意味でお互い様かもしれないけれど、組織力が高い点は大きなアドバンテージだと思います。

アウェイで分からない部分と言えば、気候やピッチコンディションがどうなのか。おそらくこの時期の中東はめちゃくちゃ暑いと思いますが、暑さの質も日本と中東では違うので注意が必要。時差ボケ対策も欠かせないので、試合前から試合が始まっています。

 

 

 

 

僕は2008年にガンバ大阪の一員としてACL優勝を経験しました。当時は内戦直前のシリアへ行って試合をしたけど、治安を考えて自由にホテルから出歩くことはできませんでした。でも、今振り返ってみるとサッカーの経験だけでなく、人生経験としてものすごく価値のある時間だった。行きたくても行けない場所ですもんね。

そういった環境の変化に対応できるかどうかもポイント。僕はあまりストレスを感じないタイプですが、日常との違いをどれだけ楽しめるか。精神面の強さやタフさも問われる戦いになりますし、クラブ全体でどれだけバックアップ体制を整えられているかどうかも結果につながってきそうです。

キーマンには、まず植中朝日選手の名前を挙げたい。

 

 

 

 

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