「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

FC東京戦を終え、舞台はUAEへ。 「強い気持ちと覚悟を持って乗り込む」 主将の喜田は前だけを見ていた。[J15節 FC東京戦レビュー]

 

アクシデントをきっかけに流れが暗転

 

湘南ベルマーレ戦、セレッソ大阪戦、ジュビロ磐田戦、アルビレックス新潟戦、そして昨日のFC東京戦。すべて先制していながら、追いつかれての引き分け、あるいは敗戦となったゲームである。直近6試合で、実に5試合にも及ぶ。

得点がなかなか入らないサッカーというスポーツにおいて先制点は大きな意味を持つのだが、これだけ相手に追い上げを許し、勝ち切れていないのは非常に珍しい。先手を取れば戦い方の選択肢が増えるにもかかわらず、試合途中からみすみす流れを手渡している印象が強い。

 

 

 

 

特に、試合の入りとナム・テヒの先制ゴールが素晴らしかっただけに、である。松原健のインターセプトをきっかけに右サイドで攻撃の起点を作り、そこから左サイドのエウベルへボールが渡る。さらにボールは中央のゾーンへ。横幅を活用した攻めで相手にプレスの的を絞らせず、最後は韓国人アタッカーが鋭いミドルシュートでゴールネットを揺らした。ヤン・マテウスが守備選手をブロックしたのも隠れたファインプレーだった。

 

 

 

 

ただ、その後に流れを失った要因として、不運過ぎる形でアクシデントが起きた点は見逃せない。32分、自陣でのバウンドボールを処理しようとした上島拓巳と渡邊泰基が激突。頭部と頭部が激しくぶつかった影響で、渡邊泰が脳震とう症状での交代を余儀なくされてしまった。

 

 

 

 

「お互い譲ってしまって失点につながってしまうのだけは避けたくて、それは僕もそうだし、渡邊選手も同じ気持ちで、ボールに触りに行く決断をした。本当に悲しいアクシデントというか、僕は傷程度で済んだのでプレーに影響はなかったけれど、渡邊選手はかなりひどい感じだった。でも彼のためにも自分はピッチに立ってやらなければいけないと感じた」(上島)

 

 

 

 

ボランチの喜田拓也が最終ラインに入って急場をしのぐ一手を打ったとはいえ、FC東京に戦い方を整理する時間を与えてしまった。マンツーマン気味にプレスを仕掛けてくる相手に手を焼き、序盤の良いリズムを取り戻すには至らなかった。

 

 

 

1失点での引き分けはポジティブか、ネガティブか

 

後半立ち上がりは明らかにFC東京ペースで、その時間帯をしのげないのは最近の流れの悪さも影響しているのだろう。立て続けに訪れたピンチで我慢できず、失点してしまう展開だ。耐久力は成功体験を経て身に付いていくものだから、反対に繰り返し失点するとメンタルが不安定になってしまう。

それでも喜田は強い口調で言った。

「失点ゼロにこしたことはないけど、ここ数試合はそこから自分たちが崩れる試合が多かったので、ある意味で1失点がなんだ、という気持ちでこのチームの力も信じていたし、ここで崩れない、崩さないことが自分の役目だと思った。後ろからできることをすべてやった」

 

 

 

 

 

ヨコエク

(残り 702文字/全文: 2005文字)

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