「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「(F・マリノスとは) 小学校の頃に対戦したことがあって、ものすごくカッコいいイメージ。会場の雰囲気もすごく好きで、いつかこのピッチに立ってみたいと夢見ていました」[井上健太インタビュー(前編)]

【井上健太選手インタビュー(前編)】
実施日:4月5日(金)
インタビュー・文:藤井 雅彦

 

ACL準決勝第1戦に途中出場し、戦列復帰を果たした井上健太。

惜しくも得点にはつながらなかったものの、武器であるスプリント能力を生かしたサイド突破から幾度となくチャンスメイクして存在感を示した。

そんなスピードスターに対して、ヨコハマ・エクスプレスは今月上旬に独占インタビューを実施していた。

明かされた復帰までの道のりと経緯は、決して平穏な時間ではなかった。

そして、手術日を2023年12月14日に設定した意味と秘められた想いとは。

さらに横浜F・マリノスへの愛と情熱を余すことなく語ってくれた。

(※インタビューは4月5日実施)

 

 

 

練習の人数が足りなくなってチームに迷惑をかけるわけにはいきませんでした。自分自身とチーム全体という2つの軸で考えて、手術のタイミングを考える必要がありました。

 

――昨年の12月14日に右反復性肩関節脱臼における手術を実施して、全治4ヵ月見込みの公式発表がありました。現在の回復具合と復帰の目処は?

「同じ手術をして3ヵ月くらいで復帰した事例もあるという話でした。だから当初の予定としてはキャンプこそリハビリメニューになるものの、早ければJリーグが開幕して少し経った頃に復帰できるかもしれない見通しでした。でも実際のところ、自分の場合は予想よりも時間がかかっています。

 宮崎キャンプまで順調にリハビリが進んで、メニューを制限しながらだけどトレーニングできる段階まで状態が上がってきていました。次はいよいよ患部が接触する対人練習を組み込んでいくというステップでした。ただ、キャンプ明けに行った検査をクリアできなくて、もう一度手術する可能性があるかもしれないという状況になってしまって……。それが2月上旬でした」

 

 

 

 

――平たんではない道のりだったのですね。

「冒頭15分だけメディア公開される日があると思うんですけど、ウォーミングアップが始まって15分が経過して、記者のみなさんがグラウンドを離れるタイミングで僕も全体練習から離れて別メニューになるんです(笑)。それが2月から1ヵ月半くらい続いて、今週からようやく対人練習に入っている状況です」

 

 

 

――苦しい時間だったと思います。精神的なショックもあったのでは?

「F・マリノスに加入する前にも手術をしたので、再度手術となる時も「マジか……」という気持ちでしたし、完全復帰するまでにここまで時間がかかるとは想像していませんでした。今回もようやく全体練習に合流できるというタイミングで、また手術する可能性があるかもしれないという話になって、その時はメンタル的にもキツかったです」

 

――昨年終盤は、寝ていても肩が外れる状況だったとか。

「寝ていてもそうでしたし、腕を上げただけでも外れました。そんな状況だったので、シュートを打ってもその反動で肩が外れてしまう。相手と体をぶつけながら競り合っていくのも自分の良さのひとつなのに、そういった長所もまったく出せなくなっていました。だからチームスタッフの方に話をして、なるべく早い時期に手術させてもらいました」

 

 

 

 

――手術を実施した12月14日は昨季の最終戦翌日です。手術がこの日に決まった経緯を聞かせてください。

「自分の肩の状態だけを考えると、シーズン中から手術しなければいけない状況だったと思います。だけど昨年の終盤は怪我人が多かったので、そこで自分も離脱して練習の人数が足りなくなってチームに迷惑をかけるわけにはいきません。チームスタッフの方と話し合いながら、自分自身とチーム全体という2つの軸で考えて、手術のタイミングを考える必要がありました。来年のことを考えると早く手術したいという気持ちはあったので、チームの活動が終わる最終戦の翌日に手術させてもらいました」

 

――翌年もF・マリノスでプレーすることを早くから決意していた、と?

「加入1年目は自分が思い描いていたようなプレーができず、数字としても何も残せませんでした。だから今度こそ万全な状態で自分のパフォーマンスを発揮して、チャレンジしたいという気持ちしかありませんでした。自分の気持ちを理解してくださったチームスタッフの方々には感謝していますし、早く復帰してピッチを走りたい」

 

 

 

 

――ようやく次のステップが見えてきた段階ですね?

「もう痛みはありません。ただ、全体練習に合流したばかりなので完璧な状態になるのはもう少し先だと思います。ずっと対人プレーをやっていなかったし、患部が当たってはいけないと言われていたので、今は脳が接触を避ける方向に反応して、怖さもあります。これは実戦に近い練習を重ねて慣れていくしかない。連戦の時期は練習試合を組むのも難しいと思うので、練習でどれだけコンディションを上げていけるか。あとは監督やメディカルスタッフの判断次第ですが、焦り過ぎず、でも早く復帰したいです」

 

 

このクラブには偉大な先人たちが築いてきた歴史があって、自分もその歴史を作っていきたい。加入して満足するのではなくて、これから何ができるのかを突き詰めていきたいです。

 

――クラブへの愛着と復帰への思いをうかがいたいと思います。横浜で生まれ育った井上健太少年にとって、地元に根付いている横浜F・マリノスはどのような存在でしたか?

「小学校の頃に対戦したことがあって、とにかく強くて、ものすごくカッコいいイメージです。横浜市出身ならば誰もが憧れるトリコロールのユニフォームを着て、すごく華やかでした。同い年の(吉尾)海夏とは選抜チームで一緒にプレーしましたけど、やっぱり育成組織の選手はみんな上手い。自分にとってはエリート集団に見えていましたし、雲の上の存在だと思っていました」

 

 

――ちなみに当時のF・マリノスの試合を観戦した記憶は?

 

 

 

 

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