「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

目の色は変わらない。 足取りも早くならない。 終始落ち着いた口調の飯倉大樹が、静かに牙を研ぎ続ける。

 

最年長選手の視線の先には、いったい何が見えているのか。

 

 

少なくとも置かれている状況に一喜一憂しない。今季は始動直後に左足首を痛め、プレシーズンキャンプを別メニューで過ごした。先週ようやく今季初めて練習試合に出場して実戦復帰を果たしたばかりだが、焦りの色は一切ない。

「左足首は痛いけど、付き合いながらやっていくしかない。今年初めて練習試合をやって40分出場した。一歩前進ということで。コンディションは悪くないよ」

 

 

淡々とした口調は、百戦錬磨のベテランのそれだ。

飯倉大樹が実戦に戻ってきた頃、リーグ戦では主戦を務めるポープ・ウィリアムが一発退場のレッドカードを提示されていた。試合映像を見ていた背番号21が、マリノスのGK目線であの出来事を解説する。

「あの場面は、ゴールから出ない選択を取るほうの確率が圧倒的に高いと思う。あのボールのスピード感を考えると出てはいけなかったかもしれないけど、この戦術の中ではディフェンスラインの背後のケアが重要なタスクになる。だから誰にでも起こりうるプレーで、それは経験しなければ分からない部分でもある。そうやってアジャストしていけばいいと思う。判断というのは簡単ではないから、彼なりに少しずつ学んでいけばいい」

 

 

かつて自身も苦い経験をたくさん重ね、その轍が現行スタイルのGK像となり、基準を作っていった。判断の難しさを誰よりも知っているのは飯倉だろう。

 

ヨコエク

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