「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「マリノスは6位ではダメ。常に優勝争いに絡まないといけない」(中村)・「点、取ります」(齋藤) +アデミウソン・三門・喜田・飯倉他 [山形戦前コメント] -3161文字- <無料>

【試合に向けて】
エリク モンバエルツ 監督

「2ndステージを戦うにあたり1stステージの6位という成績は関係ない。ゼロからのスタート、出発になる。ただ、年間チャンピオンを争う上でアドバンテージがあるのは1stステージで3位以内になったチーム、特に浦和だ。2ndステージに向けてはまずフィジカル面の準備が大事。けが人はかなり戻ってきた。1stステージの最初よりもメンバーが揃っている。
(中村のボランチ起用について)彼はボランチの選手ではないが、たくさんボールに触ってリズムを取り戻すことが大事。今後、リズムを取り戻したら相手のDFとMFのラインの間でプレーしてくれることを願っている。そのためには彼が本来のリズムを取り戻さなければならない。明日に関してはたぶん大丈夫だと思うけど確実ではない。いずれにせよプレーのリズムを取り戻さなければいけない。あまりにも多くのことを求め過ぎてはいけない。(中村)俊輔はインテリジェンスのある選手。でも10年前とは違う。それを本人も理解しなければいけない。同じコンディションではないし、25歳や30歳のときのプレーはもうできない。俊輔は喜田のように1試合で12キロ走ることはできない。それはもう終わった。でも彼はチームのボール回しのスピードを上げることができる。彼自身が走るよりもチームのスピードを上げてくれることに期待している。たとえるならばピルロだ。ロベルト・バッジォはスピードがあって敏捷性がある。バッジォとは特徴がまったく違う。俊輔はディフェンスラインの前でプレーするピルロの特徴に似たものを持っている。考え方としては俊輔にできることを求めるということ。彼自身もいま自分に何ができるかを理解しないといけない。
(アデミウソンを右で起用する意図は?)2ndステージは攻撃面を改善しなければいけない。これまでフィニッシュになる局面が足りなかった。その中で選手をどう組み合わせればチームが最も高いパフォーマンスを発揮するか探している。何かチャレンジしなければいけない。連動した崩しとクロスからの得点を増やすための解決策を探している。選手の組み合わせを変えてみるのは一つの方法。誰かが悪いのではなく、より良い組み合わせを探している。アデミウソンに期待するのはサイドアタッカーの役割。ここまで中央突破はできているし、左も悪くない。ただ右はほとんど機能していない。彼のスピードとパワーが必要と考えている。
(富澤の完全移籍について)選手にはそれぞれのキャリアがある。富澤は33歳という年齢で千葉からオファーをもらって、このように決断したのは当然のことだと思う。それを私がジャッジするつもりはない。富澤はプロとしての姿勢を持った選手だった。彼は1stステージのほとんどのゲームでベンチに入った。先発はあまりなかったがメンバーには入っていた。1stステージはチームを支えてくれた。千葉に行っても彼が成功することを願っている。(補強について)富澤が抜けたあとのことは当然考えるべきこと。ただ、そこはよく考えなければいけない。人数を埋めるために選手を補強するのでは意味がない。富澤のクオリティーを持った選手を連れてくることが必要になる」

MF 10 中村 俊輔

「1stステージはけがをしていて、試合どころかトレーニングもできない時間が長かった。ロッカールームやハーフタイムに上から見ていた感想を伝えたりして、少しでもチームの力になりたいと思っていた。けがは一度治ったところで、違う箇所に違和感が出てしまった。ただ、長い離脱だったので自分を見つめ直す時間になったし、ほかの部分も強くなって戻ってくるようにした。(前半戦の6位という成績について)監督はミーティングなどで『悪くなかった』と言うけれど、マリノスは6位ではダメ。常に優勝争いに絡まないといけないチームなので、選手は危機感を持ってやりたい。ボランチでのプレーについては、いまは与えられたポジションで全力を尽くしてチームの勝利に貢献したい。そのポジション、ポジションで自分にしかできないことがある。そうポジティブに捉えてやっていきたい」

FW 16 伊藤 翔

「1stステージは開幕戦の内容も結果も悪かった。幸いなことに2ndステージもホームで開幕できるわけだから、今度こそしっかり戦って勝たなければいけない。新たなスタートで順位表はリセットされる。順位表は普段あまり見ないけど、自然と情報は入ってくるし、上位にいるときは自然と見てしまうもの(笑)。勝って上位にいれば周りの人も嬉しいものだから」

MF 11 齋藤 学

「シュンさん(中村)が入って長いボールや裏へのボールが増えてくると思う。リズムも良くなっている。あとは自分の場合、サイドで起点になることも大事だけど、いま一番大事なのは点を取ることだと思っている。その責任を持ってやりたい。開幕からFWをやっていたときもなかなか前にボールが来なくて、少し引いた位置でゲームを作って、柏戦のようにゴールの少し前のパスを出すこともあった。そういう場面はこれからもあると思うし、使い分けというかバランスだと思う。点、取ります」

GK 21 飯倉 大樹

「1stステージの6位という結果については、満足していないけどそこまで悪いとも思っていない。開幕戦で躓いたわりには勝ち点を取れていると思うし、自分が出場するようになってから4連勝できたことも結果的に良かったと思う。ただ、試合展開を考えるともっと勝ち点を伸ばせていたかなという気はするので、そこが2ndステージの課題になる。接戦でも勝ち切る試合を増やせば自然と順位も上がっていくはず」

DF 23 下平 匠

「シュンさん(中村)がボランチに入ることで低い位置でボールが回るようになると思う。ただ、チームとしてどれだけ高い位置に行けるかは別問題のところもある。周りがうまくボールを引き出さないといけない。それでもボールを持っている時間が長くなれば守備が安定して、失点のリスクは低くなると思う。中盤で悪い取られ方をしなければカウンターも食らわない。チームとしては2ndステージ優勝と年間勝ち点の両方を見据えて戦う」

MF 6 三門 雄大

「パス回しの配給役としてシュンさん(中村)がボランチに入ることで間違いなくボールは回る。少し引いた位置から相手の裏へ決定的なパスも出せると思う。あとは場面によって自分とポジションを入れ替えてもいい。ただ、スタートポジションは自分が前にいるということ。見ている人はポジションが逆と思うかもしれないけど、自分が前にいる意味、シュンさんがボランチにいる意味がそれぞれある。それをピッチ上で表現したい」

FW 39 アデミウソン

「監督からは違う攻撃のバリエーションを試したいという話があった。攻撃にもっとパワーが必要なので、開いた位置から前に仕掛けていく考えがあると思う。これまでもやったことのあるポジションなので問題ない。1stステージの結果について、チームとしても個人としても満足していない。でも悪かったというわけでもない。2ndステージはもっと良い成績を収められると思うし、自分自身に対する自信もある。自分に期待している」

MF 28 喜田 拓也

「シュンさん(中村)はうまく顔を出してボールを受けてくれるし、時間を作ってくれる。自分がうまくサポートすればチームとしてうまく回る。シュンさんが入ることで攻撃に緩急が生まれると思う。守備面では、自分の場合は誰と組んでも後ろに残る役割が多い。だからシュンさんと組んだときも自分が残るような形で、シュンさんは前で決定的な仕事もできるはず。守備のことはある程度自分に任せてもらうよう形になってもいいと思う」

 

 

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