「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

攻撃の話の流れで名前を挙げたいのが左サイドバックで先発した加藤蓮選手。マリノスに加入して1ヵ月程度とは思えないプレーぶりでした[匠の視点]

(匠の視点vol.25)

構成:藤井 雅彦

 

OBの下平匠氏が横浜F・マリノスについて語り尽くす『匠の視点』。

今回は先日行われたACLラウンド16のバンコク・ユナイテッド戦の振り返りだ。

普段以上にマニアックな角度から新生マリノスを大解剖。

攻守において気になった点を掘り下げていく。

そして下平が気になった選手、今シーズン注目していく選手とは……。

 

 

 

今年のキーマンは両サイドバックです。ここでフラグを立てておきますね。

ヨコエク読者のみなさん、こんにちは。南葛SC所属の下平匠です。

監督が代わり、戦術が変わり、選手も入れ替わり、新たなマリノスがスタートしました。SNSで情報収集し、僕もみなさんと同じようにシーズン初戦を心待ちにしていました。今回のコラムは、2024年初戦を振り返りつつ、その中で見えてきたもの、気になった選手について書いていこうと思います。ちょっとマニアックな話も多いと思うけど、最後まで付き合ってくださいね。

バンコクの地で幕を開けた2024シーズン。気温28度、の日本とは真逆の環境下。真冬の日本から移動して、東南アジア独特の気候に順応するのはかなり大変です。僕も何度かACLに出場しましたが、コンディション調整は本当に大変。気候・食事・文化、すべてが日本と違います。時差もあるだろうし、そんな環境下でしっかりプレーする選手たちと、アウェイの地に足を運んで選手を鼓舞するマリサポの皆さんには頭が下がる思いです。

 

 

試合結果は、みなさんご存知の通り2-2の引き分けでした。セットプレーから幸先よく先制し、深い位置からのクロスで追加点を奪い2-0。前半に1点を返されましたが、後半も粘り強く戦い、追加点を取るチャンスは1回や2回ではありませんでした。取るべき時に取れないとこういう試合になってしまいます。終了間際に同点弾を浴びて、2-2で試合終了。

最悪の結果ではないけれど、勝つべき試合だった。こんな表現がピッタリだと思います。

それからマツケンの退場についても少しだけ。プレー自体は非常に危険だったので、厳しい声が飛び交っても仕方ないと思います。本人もSNSで謝罪していましたしね。

 

 

ただ、フラストレーションの溜まる試合展開だったので、同じサイドバックの選手としてやるせない気持ちになるのはすごくわかります。キャリアや経験を重ねて副主将にも就任して、チームを引っ張っていくという強い自覚が裏目に出てしまったのかな。

つい最近、誕生日を迎えて30代に突入したマツケン。ミスや過ちは誰にでもあること。出場停止が明けたら、大人の落ち着きを身に纏った三十路マツケンのプレーがみられることを楽しみにしましょう。

 

 

だから今年のキーマンは両サイドバックです。ここでフラグを立てておきますね。

 

 

攻撃の話の流れで名前を挙げたいのが加藤蓮選手


試合を見た中で、気になった点が2つあります。

1つ目は、ディフェンスラインからの斜めのパスが減ったこと。本数を昨シーズンと比較したわけではないので、あくまでも僕の感覚での話です。

なぜ減ったように感じたのか。これにはフォーメーションが関係しています。マリノスの中盤は1ボランチ2シャドーの形で試合に臨みました。ロペス選手の周りに選手が2人もいるので、攻撃に厚みが出ます。

 

 

2点目なんかはまさにその効果ですよね。加藤選手のクロスに、ロペス選手がニアサイドで潰れて、こぼれ球に渡辺皓太選手がしっかり詰めてゴール。クロスに対してあの位置を取れるのは、2シャドーならでは。みなさん思い出してください。昨年までの渡辺選手のゴールは、ペナルティエリア外からばかりでしたよね。

 

 

 

一方で、弊害もあります。それが先ほど提起したディフェンスラインからの斜めのパスの減少です。

 

 

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