「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「何をもって復活かといったら、みんなでタイトルを獲ることでしょう。新監督の下でアタッキングフットボールを継承していく。それが来年に向けて約束できることだと思います」 [小池龍太インタビュー(後編)]

【小池龍太選手インタビューコラム(後編)】

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

 

小池龍太の2024シーズン契約更新が発表された。

インタビュー実施時点から、すでに来季へ視線を向けていた背番号13。

再起のシーズンにするべく、オフに入ってもリハビリの日々は続いた。

後編のテーマは『復活』。

奪還へのキーマンは、自分自身だ。

 

 

 

最終的には『自分がいたら』じゃないけど、それに近い気持ちになる。ピッチ内で起きることもピッチ外で起きることも。

 

充実の2022年から状況が大きく変わり、2023年は難しい時間を過ごした。小池龍太はいかにして現実を受け止め、消化したのか。

「個人的には、これまでも上がったら下がる人生で、下がったらそれ以上に上がる人生なんです。今はそれを信じるしかないけれど、今年は違う意味で重い下がり方だった。でも信頼しているチームメイトに託せる部分もたくさんありました」

 

 

 

リーグ戦のピッチには、ついに一度も立てなかった。選手として直接的に貢献できる方法が叶わず、鬱屈とした日々を過ごす。それでも副主将として何をすべきか思考をめぐらせた。

チーム内での立ち位置や過去のキャリアを踏まえると、一歩引いた位置からチームメイトに対して積極的にアドバイスや感想を伝えることも可能だったはず。だが、実際にはあまりしなかったという。その背景にはピッチに立っている者へのリスペクトが存在した。

「僕がアドバイスを送っても許されると思いますし、許してくれると思います。ただ、本当の意味でその状況を一緒に理解できない。なぜそうなってしまって、そう考えたのかは、一緒にプレーしていればだいたい分かります。でも現実には、みんながサッカーをしているのを見る時間もあまりなかったし、ましてや一緒にサッカーをする時間もほとんどなかった。それで僕自身が何かをアドバイスするのは、反対の立場だったら僕は嫌かもしれないし、相手の身になって考えるとできない。それが年下の選手だとしても彼らもひとりのプロサッカー選手として生きている。僕自身が受け入れにくいと思う行動はあまりしませんでした」

 

 

忸怩たる思いを秘めながら、仲間たちの戦いをじっと見つめた。あえて一線を引いて、客観的な視点を持つことに努めた。それでも……。

「シーズンを通して離脱してしまったので、第三者の立場からF・マリノスを見られる自分もいました。もちろんファミリーとして一緒に戦っているけれど、自分たちの中で何が成長して、何をもっと成長させなければいけないのか。そういった部分を俯瞰して見られた部分もあります。

 

 

 でも、最終的には『自分がいたら』じゃないけど、それに近い気持ちになる。ピッチ内で起きることもピッチ外で起きることも、自分が行動で示せたらとか、もっと言葉で伝えてあげられたらとか。でも現実は離脱しているわけで……。そんなの関係ないと思うかもしれないけれど、ピッチに立っているからこそ響くものがあるし、言えることがある。

 例えば年下の選手に限っては言いたいこともあるけれど、彼らの親ではないし、ライバルでもあるので、そこは堪えました。話に来てくれる選手には快く話すけど、離脱しているから話しかけにくい部分もあったと思う。いろいろと気を遣われて、いろいろな気を遣った中で、試合をさまざまな観点で見て、さらにはサポーターの立場にもなって見られたシーズンかなと思います」

 

 

 

 

怪我がなかったら槙之輔がベストイレブンに入っていてもおかしくなかったと思います。

 

試合に出場すれば、たくさんの応援と愛情に背中を押してもらえる。そんな日常は当たり前ではない。ピッチに立つ尊さをあらためて知り、ちょっぴり感慨深そうに言葉を紡ぐ。

「そのためにみんな毎日必死にやっているんです。そうやって頑張っている選手の姿を見たくてファン、サポーターがスタジアムに来てくれるわけだから。ゴールが決まって、試合に勝って、輪になって喜んで、ファンやサポーターが飛び跳ねて喜ぶ。その様子は、選手を周りで支える家族や親の喜びになっているんだろうなというのを強く感じる1年でした」

 

 

一心不乱にリハビリに取り組んでいる最中、大切な仲間が傷を負った。シーズンの長期離脱選手は小池龍太だけではなかった。

その中のひとりに畠中槙之輔がいる。

 

 

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