エウベルはここまで加入以降、最高の数字となる9ゴール11アシスト。 ラスト2戦でも昨季同様の爆発に期待が懸かる
直近のセレッソ大阪戦ではアンデルソン・ロペスの愛に溢れるお膳立てを受け、右足のシュートで鮮やかにゴールネットを揺らした。これで今季ここまで9ゴール11アシスト。いずれの数字も2021年の加入以降、最高の数字だ。リーグ屈指のウインガーであることに疑いの余地はない。
チームの総得点62のうち、ゴールとアシストを合計して20得点に関わっている。アシスト前のパスやドリブルを含めれば、ゴール関与率はさらに増えるだろう。
それなのに驕った素振りを決して見せない謙虚さが光る。
「自分のパフォーマンスはチームのパフォーマンスに乗っかっているだけ。僕だけでなく攻撃陣はロペスやヤンも好調。チーム全体が素晴らしいパフォーマンスを見せているからこそ、自分のパフォーマンスも上がる」
冷静な口調はいつだって変わらない。パフォーマンスが高次元で安定している理由かもしれない。
マリノスにとっては相次ぐ負傷に悩まされている苦しいシーズンでも『無事是名馬』という表現がピタリと当てはまる。これまでに出場停止の1試合を除く31試合に出場し、長期離脱は一度もない。
昨季最終盤の活躍も記憶に新しい。ホーム最終戦の浦和レッズ戦で2ゴールを挙げ、優勝に王手をかけながらも2連敗と苦しむチームを蘇らせる。すると返す刀で最終戦のヴィッセル神戸戦でも貴重な先制点をもたらし、優勝の立役者に。
今季も残すところ2試合のみ。冒頭で述べたように前節のセレッソ戦でゴールを決めているのだから、期待したいのはラスト3試合での3連発だ。
期待とともにコメントを求めると、ニヤリと笑った。
「僕もそれを期待している。でもチームが勝つことが一番大事。残り2試合を勝たないと何かを起こせない。そのために活躍したいし、それで去年のような数字を残せたらいい」
エウベルが爆発すれば、勝ち点3に大きく近づく。ホーム最終戦に向けて、ファンやサポーターの後押しを求めた。
「我々次第ではなく首位のチームが躓かないと優勝できないけど、まずは自分たちだけにフォーカスして臨みたい。そのためにホームでファン、サポーターの力を借りながら我々の攻撃的なサッカーを展開したい」
アタッキングフットボールの主役のひとりが背番号7だ。