「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「常に試合に出たかった。層が厚いのでなかなかチャンスは巡ってこなかったけど、いつ来るかわからないチャンスをモノにできるように練習していたつもりです [村上悠緋インタビュー(前編)]

【村上悠緋選手インタビューコラム(前編)】

実施日:9月13日(水)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

プロサッカー選手として大きな一歩を踏み出したばかりの村上悠緋に話を聞いた。

少なからず驚きもあった本職とは違う右サイドバックでの奮闘。

新境地を開拓することでファン、サポーターに進化の過程を見せてくれている。

ルヴァンカップ準々決勝の札幌戦を経て、胸に去来する思いとは。

初めての充実を手にしたからこそ、22歳の新鋭はさらに欲を増していく。

 

 

 

公式戦で90分間フル出場するのは本当に久しぶりだった。いつ以来なのか、思い出そうとしても、なかなか思い出せない。

「ちょうど1年前くらいが最後かもしれないです。間違いなく大学以来ですね。アウェイでの第1戦は途中で足を攣ってしまったけど第2戦は大丈夫でした。(体力を)ちょっとセーブしていたのもあります。状況を見ながらコントロールしてプレーしました」

 そういって村上悠緋は少し恥ずかしそうに笑った。

ルヴァンカップ準々決勝第1戦で先発するも、77分で途中交代。その反省を生かそうと考えて中3日で迎えた第2戦。今度は試合終了のホイッスルをピッチ上で聴いた。チームは逆転での準決勝進出という最大目標を達成し、自身はプロ初のフル出場を果たした。

「右サイドバックで90分間プレーするのは、今までとは違う疲労感がありました。でも、最高です。チームが勝てていない状況のなかで勝てたこともすごくうれしかったですし、自分がフル出場して勝てた喜びもありました」

 

 

不慣れなポジションでの奮闘。お世辞抜きに違和感はあまりなかったように見えた。映像を見返し、本人はどのように感じたのか。

「最初は足にボールがついていなくて、ワンテンポ遅れる場面が目立っていたと思います。でも徐々に慣れてきて、自分の良さを出せる場面も増えてきました。試合の入りはあまり良くなかったけど、90分トータルなら満足までいかないまでも、ある程度できていたのかなと。映像で見返した時に、細かいところでの守備の対応や体の向きはちょっと違うなと思うところは正直あります。でも紅白戦でも右サイドバックをたくさんやらせてもらっていたので、ある程度違和感なくやれたと思います」

 今年1月の宮崎キャンプでは、突然のコンバートに迷っていた。与えられた役割、仕事をこなすのがプロの使命であることは理解している。でも念願だったサッカー選手としての第一歩を踏み出すのが、こだわりのストライカーポジションではない悔しさも同居していた。

 

 

当時の胸中を明かし、その後の心境の変化も。

 

「キャンプの時は迷いながらやっている自分がいました。シーズン初めで、前のポジションで出られない悔しさも内心ありました。でもシーズンが始まってからの紅白戦でも右サイドバックをやる機会が多くて、新しいチャレンジというか、いろいろなポジションをできる選手のほうがサッカー選手としては価値があるのかなと前向きに考えられるようになりました。ポジティブな考えになったのが大きかったと思います」

 

 

意味のないポジション、練習、役割はない。だんだんと視界が晴れてきた。すぐに試合出場とはいかずとも、日々のトレーニングで成長できている実感もあった。

「レベルの高い練習の中で、判断スピードやプレースピードが明らかに変わってきたと自分で感じています。ポゼッションをやる時も、紅白戦の時も、徐々に自然体でできるようになってきました。周りの声掛けで自信を持つこともありますけど、できなかったことができるようになった瞬間が大きな手ごたえになりました」

 

 

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