ヤン・マテウスの戦列復帰も心強い。 途中出場でこれだけ攻撃を加速できる選手はそうそういない [J27節 鳥栖戦レビュー]
「今日の勝ち点1があったからと言えるように」
起死回生の同点ゴールを決めた吉尾海夏に笑顔はなかった。
「まだ何かを得たわけではないし、まったく満足していない。もっとチームの勝利に貢献できるようにやって、最後終わった時に今日の勝ち点1があったからと言えるようにやっていきたい」
勝利には惜しくも手が届かず、タイトルレースという観点で言うと勝ち点1は物足りなさも残る。それでもリーグ戦での連敗を2でストップさせる重要な一撃で、価値は計り知れない。
収穫は勝ち点だけにとどまらない。
今季ここまでリーグ戦にほとんど絡めていない吉尾のリーグ戦初ゴールに、チームが活気づくだろう。愛されキャラが決めた印象的な得点は、全体の士気を高めるに違いない。
ゴールやアシストという結果にはつながらなかったが、リーグ戦デビューを飾った村上悠緋のパフォーマンスも及第点以上だった。前半からアグレッシブに高い位置に進出し、水沼宏太とのコンビネーションで右サイドから打開。惜しいクロスを何本も送り込み、後半開始直後にはアンデルソン・ロペスのポスト直撃シュートをお膳立てした。
90分間トータルでのプレーの波や精度、あるいは終盤の体力など課題はある。本人が悔やんだように失点場面に絡んだのも事実だ。ただ、それらを補って余りある可能性を秘めていることも証明できた。
松原は復帰目前だが、小池龍太はもう少し時間がかかるだろう。山根陸をボランチに、上島拓巳をセンターバックに、それぞれ固定できるという点でも、右サイドバック村上の台頭には大きな意味がある。
中3日で臨むACL初戦も考慮してのマネジメント
今季ここまでの活躍度合いを考えればあらためて述べるまでもないのかもしれないが、ヤン・マテウスの戦列復帰も心強い。
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