「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

背番号6はお世辞抜きにして日本代表を狙える位置に来ている。 日の丸を付けてさらに飛躍する姿が、今から待ち遠しくて仕方ない [J24節 FC東京戦レビュー]

 

鬼に金棒を印象付ける一撃

 

後半アディショナルタイムに突入した直後、日産スタジアムのピッチに一筋の閃光が走った。

 

 

相手を押し込んだ状態で左サイドの井上健太からパスを受けた渡辺皓太は、ファーストタッチで前目にボールを置く。

「前半からあそこの位置でボールを受ける回数はあった。でも前半は相手のボランチが出てきて打てなかったけど、後半あの位置で受けた時に出てこないなと思って」

 

 

終盤に入ってプレッシャーもかかる中で、迷いなく右足を振り抜いた。地を這うミドルシュートは約25メートルの距離も何のその。ゴール左隅に突き刺さった。

すぐさまゴール裏に向かう背番号6。スポンサーボードを軽やかに飛び越え、サポーターの感性を間近に感じられるところまで走り、胸のエンブレムを何度も叩く。松原健や宮市亮に手荒い祝福を受け、破顔一笑だ。

 

 

「(ゴールパフォーマンスは)やったことなかったけど、自然とああなった。やっぱりゴールって気持ちいいなと。マリノスというチームを好きになっているし、このチームのために全力を尽くしてやっている。今日やっと結果としてサポーターの前で見せることができて良かった」

 攻撃意識を高め、高い位置でフィニッシュに絡むプレーを増やした。それがガンバ大阪戦では喜田拓也のミドルシュートにつながる前方向のパスであり、この日の決勝ゴールにつながった。

 

 

もともと有している機動力や旋回能力に加え、昨季終盤から危機察知能力やセカンドボールへの意識が劇的に向上している。さらにミドルレンジでの得点力が加われば、鬼に金棒だろう。

押しも押されもせぬ中心選手は、お世辞抜きにして日本代表を狙える位置に来ている。日の丸を付けてさらに飛躍する姿が、今から待ち遠しくて仕方ない。

 

 

苦しみながらも勝ち点3をもぎ取り、仲間の思いを背負って戦い続ける

 

決勝ゴールの呼び水となったナム・テヒは、短い時間でも実効性高いパフォーマンスを見せた。トップ下の位置から有機的にボールに絡み、決して失わない。持ちすぎることなくテンポ良くパスをさばき、次のポジションを取る。その繰り返しがマリノスにリズムをもたらした。

 

 

ヨコエク

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