「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

成長と停滞ののちに -小野裕二と齋藤学-(前編):藤井雅彦コラム


成長と停滞ののちに ~小野裕二と齋藤学~(前編)

 

“舞台”に立つ意味

宣伝を兼ねた題材で恐縮だが、先週のある日の練習後に小野裕二と齋藤学の対談の進行役を務めた。これは今度の火曜日6日発売の『サッカーダイジェスト』にて掲載予定だ。その号は持ち回りで行うクラブダイジェストコーナーの対象クラブが横浜F・マリノスで、巻頭ページで二人の対談が実現した。といっても、異色の組み合わせという感じはなく、マリノスの今後を担う二人に、二人のこと、今シーズンのこと、そしてマリノスの未来について語ってもらった。二人の本音が垣間見える内容になったと思うので、是非とも手にとってもらいたい。

そして、いま筆者の目の前ではブラウン管を通じてではあるが、ヤマザキナビスコカップ決勝戦が行われている。ピッチには鹿島アントラーズの大迫勇也や柴崎岳、清水エスパルスの大前元紀、あるいはニューヒーロー賞を受賞した石毛秀樹といった面々がいる。ナビスコカップの特性ではあるが、決勝戦のこの日だけ盛り上がる。それまで空席が目立つスタジアムで戦っていたのに、なぜか決勝戦だけチケットはソールドアウトなのだ。

すると日本代表戦しか興味のないキー局が、土曜日の昼間に地上波で枠を割く。ここで得点でも決めようものなら、知名度は飛躍的に上がる。現在の日本サッカーにあるトーナメント決勝戦における最大の副産物だ。天皇杯もしかり、決勝戦はほかのゲームがない。それは普段のリーグ戦との大きな違いである。翌日のニュースソースは1試合に限定され、新聞報道のスペースもサッカーニュースの先頭がほぼ確定。他競技との兼ね合いによってはスポーツニュースの一面獲得も夢ではない。

その場にマリノスがいないこと、さらに言えば小野や齋藤といった伸び盛りな選手がいないことが悔しくて、寂しくてならない。

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