「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

二種登録されたばかりのユース所属 和田昌士に一発回答を求めたい [PSM 松本山雅戦プレビュー] 藤井雅彦 -2,043文字-

 

新チームは1月19日に始動し、沖縄キャンプと宮崎キャンプを通じてチーム作りを進めてきた。約5週間を過ぎ、リーグ開幕前にホームの日産スタジアムでファン・サポーターに現在のチームをお披露目する機会が明日のプレシーズンマッチである。

ここまでの道のりは平坦ではなかった。特に大黒柱・中村俊輔の負傷離脱はチームに大きなダメージを与えた。今日20日に退院したが、全治まで2~3ヵ月を必要とする離脱で開幕時期にいないことは確定的。主将として、あるいは不動のトップ下としてチームをけん引する背番号10抜きでのチーム作りを再考しなければならなくなった。

4-3-2-1_2015中村以外にも、依然として負傷者は複数いる。今日リリースされたようにキャンプ中に負傷した端戸仁は右ひざ外側半月板の負傷で手術を受け、全治2ヵ月見込みと診断された。ほかにもウイルスに苦しめられた伊藤は別メニュー調整中で、明日の試合にはベンチ入りしない。一方、ラフィーニャと富澤清太郎についてはとりあえずベンチ入りするまでコンディションを戻したが、復帰して間もないためスタメン出場の可能性は低い。

以上のことからスタメンの11人は、右の予想フォーメーションのようになった。最大の焦点は2列目の人選と並びだが、右から兵藤慎剛、佐藤優平、齋藤学の3人となり、藤本淳吾はベンチスタート濃厚。1トップはユース所属の二種登録されたばかりの和田昌士が抜てきされ、ベンチには中島賢星とラフィーニャが控える。ボランチは中町公祐と喜田拓也が組み、前述したように富澤はベンチに。最終ラインは昨季から不動の4人で、バックアップはこちらも昨季と同じようにファビオと奈良輪雄太が入る。ゴールマウスは継続性を利して榎本哲也が守り、飯倉大樹は控えに回りそうだ。

 

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端的に言えば、負傷者のいるポジション以外に大きな変更はない。フランス人新監督を迎えてのチーム作りだったが、極めて順当な顔ぶれがスタメン表に並ぶ。やや拍子抜けではあるが、いまはまだプレシーズンの段階でその是非を断言できない。とはいえ過程について言及するならば、やや競争力に欠ける準備期間を過ごしている気がしてならない。健全な競争の末に昨季までの主力メンバーがスタメンになるのは仕方ないが、現況はやや異なる。

松本3-4-2-1 エクスキューズがあるとすれば負傷者の多さで、チーム作りは順調に進まなかった。さらなる負傷離脱者が出ることを避けるために練習量を落とし、日によっては居残り練習の時間を制限した。その結果、メンバーの固定化が進み、練習からは徐々に活気が失われていく。始動直後や沖縄キャンプでは密度の濃いトレーニングを行っていたのに、いまでは当初のエネルギーが感じられない。

そうやって約5週間経ってのプレシーズンマッチの相手はJ1に昇格してきたばかりの松本山雅である。リスペクトしなければならないが、格下であることは事実。負傷者が数人いたとしても、公式戦ではないにしても、勝たなければいけない相手である。中澤佑二は「マリノスに対して苦手意識を持つような試合にしなければいけない」ときっぱり。結果とともに内容でも威厳を示せば、これまでの自らの歩みの正当性を証明することにつながる。

 

 

【この試合のキーマン】
FW 和田 昌士

 トップチームに合流したのはわずか1週間前。一度もトレーニングに混ざることなく出場したヴァンフォーレ甲府との練習試合で、いきなり2得点を叩き出した。その活躍を目の当たりにして、マリノスの関係者がほかの誰よりも驚いていた。選手からは感嘆の息が漏れ、フロントは明るい未来を想像する。キャンプ終了後、トップチームの一員として日々を過ごすのも当然だ。

 そして明日のプレシーズンマッチで、和田は主力組の一人としてスタメンでピッチに立つことが濃厚である。ポジションは本来の位置ではない1トップだが、持ち前の勝負強さと前方向への意識で胸を張りたい。端戸仁は長期離脱が確定しており、伊藤翔は別メニュー調整中。矢島卓郎は部分合流で、ラフィーニャはようやく合流したばかり。こんなチャンスは二度とめぐってこないかもしれない。

 求められるのは結果のみ。もちろん巧みなボールキープで2列目以下の良さを引き出す働きも大事だが、それよりもゴールという結果で存在をアピールしたい。豪快なミドルシュートはいらない。泥臭くこぼれ球を詰めてもいいし、見つからなければ神の手でもいい。周囲を納得させるために、一発回答を求めたい。

 

 

 

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