「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

プレスに怯むことなく、マリノスはボールをつなぎ続けた。 チャレンジをやめなかったことが誇らしい [J8節 湘南戦レビュー]

 

“こじ開けた”先制点

 

序盤から相手のハイプレスに少なからず苦しんだ。特にゴールキック時はマリノスのスタートポジションに合わせるように湘南ベルマーレが立ち位置を変え、ショートパスをつなぐのが難しい状況に陥った。

 

 

「前半の途中まではバタつく場面がチームとしても個人としても見られた」とセンターバックの角田涼太朗が述懐するように、ピンチもあった。12分には自陣でボールを奪われた流れからタリクにフィニッシュされたが、これは一森が右足一本でファインセーブ。45分にもタリクの右足シュートが左ポストを叩くなど、何度か冷や汗を流した。

 

 

それでもつなぐことをやめなかったことが誇らしい。角田が「つなぎ続けたことで後半のようなボール保持につながったと思う。やはり相手が前から着ても粘り強くやり続けないといけないと感じた」と手ごたえを口にすれば、サイドバックとしてポゼッションの鍵を握った永戸勝也も「難しい場面もあったけど、いいチャレンジができていたと思う。そうやって前半から粘り強くやっていたおかげで、後半は相手が下がる場面もあったし、疲労もあったと思うし、だいぶパスを入れやすくなかった」と晴れやかな表情で語る。

 

 

焦れることなくボールをつなぎ続けると、相手の足が次第に止まっていく。プレスの出足が弱まり、あるいは行き切れないと判断して下がる場面が増えていく。前半からのチャレンジがボディブローとなり、ダメージが蓄積していったのだろう。

ゴールネットを揺らしたのは65分。相手陣内で攻撃から守備に切り替え、水沼宏太が技ありの誘い込みでボール奪取。すぐさまアンデルソン・ロペスへつなぐと、マリノスの主砲はボールを持ち込んで利き足とは反対の右足を振り抜く。

 

 

ようやくの先制点は、文字通り“こじ開けた”得点だった。

 

 

反省や課題を血肉に変えて

 

してやったりの展開から先制しただけに、やはり勝ちたい一戦ではあった。試合直後、ケヴィン・マスカット監督は「いま終わったばかりでなんとも言えないような気持ちでいる。とにかく勝ち点2を失ったなという感じはする」と本音を吐露した。

 

 

 

ヨコエク

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