小池龍太の戦線復帰は頼もしいかぎり。 マリノスの重要人物がピッチに戻ってきた [ルヴァン杯2節 鳥栖レビュー]
限られた出場機会で結果を残した2選手
植中朝日と吉尾海夏。ここまでリーグ戦で出番のなかった2選手が、マリノスを勝利に導く大仕事をやってのけた。
植中がピッチに立ったのは61分から。それだけでもリーグ戦でも主力を務めるアンデルソン・ロペスの壁は相当に高いことがわかる。さらに直前には杉本健勇の期限付き移籍も発表され、心中穏やかなはずがない。
自身も「このままだともっとリーグ戦に出る可能性が少なくなりかねない状況だったので、ここでどうしても結果がほしい気持ちだった。周りもそういうふうに見ていたと思う」と話したとおりで、まさに正念場のゲームだった。
歓喜の瞬間は79分に訪れた。マルコス・ジュニオールが右寄りの位置から中央へ。ボールを受けた永戸勝也はダイレクトでインサイドパスを送ると、ラインブレイクした植中が100点満点のトラップからGKパク・イルギュをあざ笑うかのようなループシュート。「自分にとって大きな価値のあるゴール」がゴールネットを揺らした。
後半途中から試合がややオープン気味になっていた展開に手助けされた部分もある。序盤からタフなしあいだったからこそ、次第にスペースが生まれ始めていた時間帯だ。そういった点で、良さを発揮できるのは状況次第、時間限定かもしれない。ただ、丹念に相手の背後を狙う動きとゴールセンスは証明できた。
もうひとりの吉尾は、ここまでリーグ戦どころかルヴァンカップでもメンバー入りの機会がなかった。苦しい立場に追いやられていたのは本人も認めるところだろう。「ここまで正直、苦しい時間のほうが長かった」と本音を明かしたが、同時に「でも、どんなときもこの日のために準備してきた」と続ける。
インナーラップを仕掛けた松原健のクロスに植中が飛び込むも、わずかに届かず。だが、吉尾はそのチャンスを逃さなかった。不慣れな左ウイングの位置からファーサイドに詰めることを忘れず、押し込む。一度はGKにかき出されたボールに食らいついて決めた姿は、この一戦に懸ける執念を感じさせた。
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