「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

マツケンのスーパーゴール、本人は「年イチでいい」と話していましたが、年イチと言わず、もっと取っていいねんで(笑) [下平匠の「匠の視点」]

(匠の視点vol.14)

構成:藤井 雅彦

 

OBの下平匠氏が横浜F・マリノスについて語り尽くす『匠の視点』。

トークテーマは、もちろん先週末の鹿島戦だ。

マリノスが2-1で勝利した伝統の一戦を、下平はどのように見たのか。

ダブルボランチの好パフォーマンス、そして松原健のスーパーゴール。

胸アツなゲームをあらためて振り返る。

 

 

Jリーグが開幕した1993年、僕は4歳でした

 

ヨコエク読者の皆さん、こんにちは。南葛SC所属の下平匠です。

マリノスが鹿島アントラーズを破り、3試合ぶりに勝利しました。前節の札幌戦は少し心配になる内容でしたが、日産スタジアムでは本当に強い。これぞ“ホームのチカラ”ですね。

キーボーのキックオフで始まった『THE CLASSIC』。

Jリーグが開幕したのは1993年。それからちょうど30年間の年月が流れましたが、一度も降格することなく日本のトップリーグで凌ぎを削ってきたのはマリノスとアントラーズの2チームだけです。

開幕当時、僕は4歳でした。正直、正確な記憶はほとんど残っていませんが、カクテル光線が美しく輝いているテレビ中継だけうっすら覚えています。キーボーに関してはまだ生まれていないですし、時の流れを感じずにはいられません。

 

 

日本サッカーが劇的に進化したこの30年で、サッカーの質もだいぶ変化しました。ボールを失った際の切り替え、球際の攻防、プレースピードなどなど。挙げればキリがありませんが、子どもの時に見ていたそれとはずいぶん変わった気がします。

リフティングでドリブル(ピクシー)したり、リフティングのパス交換で前進する(ヴェルディ)など、いわゆる“スター選手”や“魅せるプレー”が減ったのは個人的に少し残念です。でもチームが個人に依存するのではなく、全員がチームのために戦っている姿は日本らしいですよね。WBCが佳境を迎えている野球選手にも同じものを感じます。

僕が簡単に偉そうなことは言えませんが、Jリーグはきっと正しい道を進んでいるのだと思います。

 

 

 

ポイントはキーボーと渡辺皓太選手の働き

 

鹿島戦はとにかく魂のこもった熱い試合でした。

「気合い」や「気持ち」といった精神論的な言葉はあまり好きではないのですが、胸が熱くなる試合でした。

両チームの選手から、対峙する選手に絶対負けないという強い気持ちと、所属チームへのプライドをものすごく感じました。普段は感情の起伏がほとんどない僕が感じたので間違いありません!!(笑)

ピッチコンディションも相まって、立ち上がりから激しい球際の攻防。前から奪いに行ってボールを握って主導権を取りたいマリノスと、それをわかってマリノスの嫌がること(具体的にはディフェンスラインの背後を狙う)を仕掛けてくる鹿島という構図でした。

 

 

どちらのチームも攻守の切り替えがとても早く、奪ったボールを積極的に前へ付けて、人もどんどん追い越して行く。相手に対してはもちろんですが、見る人にも休む暇を与えない、とても面白い試合が繰り広げられました。

僕が感じたポイントは、キーボーと渡辺皓太選手の働きです。チームとして運動量、ボール奪取、ボールを動かす際の潤滑油的な役割、これらの部分で鹿島を上回れたことが大きかった。そこで力を発揮したのが彼らです。

 

 

 

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